千葉県沿岸の津波浸水区間を含む路線網を抱えるJR東日本千葉支社は、津波注意区間の始終端に始端標と終端標を設置。乗降客をスムーズに鉄道敷地外へ避難誘導できるよう、津波注意区間への避難誘導看板を合計410枚、設置完了させた。

千葉支社エリア内の津波注意区間は、内房線 蘇我~安房鴨川(37区間 38k470m 258枚)、外房線 八積~安房鴨川(15区間 23k442m 152枚)で、全52区間 総計61k912mに合計410枚を設置した。

取り付けは、電柱のレール面から1.5m高さ部分に巻き付けていった。看板デザインは、JIS規格適合ピクトを使用し、鉄道敷地外への避難と津波浸水区間からいち早く避難できるよう、駅間に踏切・駅舎などの最寄り出口までを矢印にて示している。

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看板の大きさは縦300ミリ×横300ミリ。素材は蓄光素材(高硬度石英型板)。

JR東日本は防災業務計画のなかで、津波注意区間についてこう記載している。

◆第1節 津波注意区間の指定

地震発生時に津波の到達が予想される線区において、運転規制、避難等が必要となる津波注意区間を、自治体から公表されている津波浸水予測図等及び過去の津波の浸水域等に基づき、あらかじめ指定する。

◆第2節 列車の運転規制

支社長は、津波警報等が発表された時は、次の各項に掲げる列車の運転取扱いを実施する。

1 津波注意区間外に在線している列車は、津波注意区間内に進入させない。

2 津波注意区間内の列車で、運転に支障がないと判断できる場合は、可能な限り津波注意区間外又は次の停車場まで運転を継続する。

3 対策本部から列車の運転を再開しても差し支えないことの通告を受けるまでは、列車の運転を再開してはならない。

◆第3節 お客さまの避難誘導

支社長は、津波警報等が発表された時など津波の危険性を知り得た場合は、お客さまに対して次の各項に掲げる措置を講じる。

1 津波注意区間内の駅のお客さまに対しては、放送等により避難を呼びかけ、避難場所へ避難誘導を行う。

2 津波注意区間内で停止した列車のお客さまに対しては、避難を呼びかけ、避難誘導を行う。

◆第4節 社員の避難等

社員は、津波警報等が発表された時など津波の危険性を知り得た場合は、お客さまを避難させるとともに、社員自らも避難する。

なお、津波警報の解除が発表されるなど津波による危険がないことが確認されるまでは津波注意区間内では業務に従事しない。

(JR東日本 防災業務計画 平成28年6月 から抜粋)