太陽光発電で再生可能エネルギーを生み出しているのに上手に活用されず、いまも電力会社から電気を買っている―――。

そんな課題に直面している東北線 平泉駅が、新たな手で課題解決へむけて動き出した。

JR東日本スタートアップと、コンサルティング会社の elDesign は、2月15日から3月15日まで、平泉駅で電力融通プラットフォームを活用した太陽光発電の利用効率向上の実証実験を始める。

四ツ谷駅に次ぐ、エコステ第2弾の平泉駅が直面する課題

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JR平泉駅は2012年6月から、省エネルギー・再生可能エネルギーなど、さまざまな環境保全技術を駅に導入する取り組みを行う「エコステ」のモデル駅。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、晴天日は、駅電力使用量をすべてまかないCO2排出量をゼロにする「ゼロエミッションステーション」に取り組んでいる。

しかし、蓄電池の充放電ロスや、パワーコンディショナーの動作などの要因から、再生可能エネルギー(太陽光)の発電量とその消費量に差分が生じ、いまだ晴天日でも東北電力から電力の一部を買っている。

EV充電施設と電力融通プラットフォームを追加し効率化めざす

そこで今回の実証実験では、新たに電力構成にEV充電ステーションを加え、かつ、電力融通プラットフォームを通じて再エネの蓄電と利用を適切にコントロールすることで、太陽光発電の利用効率向上を図る。

JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「変革 2027」で、「ESG経営の実践」を経営の柱として掲げ、2050年度の鉄道事業におけるCO2排出量「実質ゼロ」をめざす環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ 2050」を2020年5月に公表。

elDesign は、同実証を通じ、駅舎周辺のテナントや EV に融通できる電力融通プラットフォームの効果を検証。EV車の充放電制御を行いながら、自家消費率の向上への効果を検証していく。

また将来的には、JR外の再エネ電源や複数駅の需要をつなげるプラットフォームとすることで、さらなる活用をめざしていく。

(画像は2018年9月の平泉駅)