南砂町駅前の公園から消えたセミステンレスボディ、地球99周も走った車両の45年

2021.02.25

ここは東京都江東区新砂。東京メトロ東西線 南砂町駅の駅前にあった、新砂あゆみ公園。2012年の光景。

奇妙なチューブのなかに半分だけカットされた5000系は、5833号車。この1年後の2013年に消えて、思い出に…。

江東区が2002年に記した「地下鉄東西線 5000系車両 全鋼製(外板ステンレス)」という説明板には、こんなことが記されていた。

「この車両は1968年(昭和43年)から使用されていた5000系車両の前部です。長年、江東区民の足として利用され、この度廃車になるに際し、帝都高速度交通営団のご協力により、これまで走行していた線路の真上のこの地に休憩施設として再度利用されることになりました」

「旧型車両にこれまでの思いを感じていただければ…。また、子供たちがあこがれの運転台に座れば、小さな運転手になれるのではないでしょうか」

説明板によると、この5000系5833は、1969(昭和44)年の東西線 東陽町~西船橋 延伸開業(全通)にあわせて増備したくるまで、1968(昭和43)年、日本車輌製造でつくられた1両。

2001年までの33年の間に走った距離は396万8957km。地球を99周回る距離を駆け抜けて営業運転を離脱、台車を外し、身体を半分にカットしてここ新砂あゆみ公園に出現した。

全鋼製(外板ステンレス)というように、セミステンレス車体も5000系の特徴のひとつ。アルミ製の編成もある。

消えた理由は南砂町駅改良工事

西船橋方面・中野方面の線路の間に1面のホームがある1面2線の南砂町駅はいま、2面3線化する改良工事のまっただなか。

この工事の都合で5000系5833カットモデル遊具は撤去。消えてしまった。

2面3線化へむけた工事は、まず中野方面線路の南側に、線路とホームをつくる。次に中野方面行きの列車を南側の新しい線路に移し、旧線路部分の工事を実施。

この移設後に、新ホームが供用開始。こんどは旧中野方面線路付近の整備が完了すると、西船橋方面の列車を一度その中央の線路に移し、北側の旧西船橋方面線路を整備する。

施工は大林・前田・西武建設JV。このステップで2面3線化するのは、2027年の見込み。

画像は2021年2月の南砂町駅周辺の光景。新たなマンションが出現し、10年前の風景とはだいぶ変わった。この地下で、2面3線化工事がすすんでいる。


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