「森の京都QRトレイン」亀岡駅にて

2021年3月13日から、JR嵯峨野線で「森の京都」をデザインしたラッピング列車が運行します。運行開始に先立ってJR亀岡駅で行われた完成お披露目式と出発式の様子をレポートします。

「森の京都QRトレイン」出発式の様子。運行は2021年3月13日から

「森の京都」は、京都府亀岡市、南丹市、京丹波町、福知山市、綾部市および京都市右京区京北地区一帯を指します。山や森林が多く、里山やかやぶきの里など日本の原風景や文化が楽しめる地域として知られています。この「森の京都」の魅力を発信するために登場した列車が、「森の京都QRトレイン ~Quality and Relaxing Train~」です。

「森の京都QRトレイン」は、223系をベースにした4両編成の列車です。外観に使われている色は「森の京都」のコンセプトカラーである茶・黒・金の3色で、「森の京都」のそれぞれのエリアを象徴する花・木・鳥の柄が描かれています。

華やかな和風の外観が目を引きます
やや赤みがかった茶色が上品
「森の京都」を象徴する柄が描かれた車体。桔梗は福知山市の花

ADVERTISEMENT

「QRトレイン」の「QR」には、2つの意味があります。ひとつは、「森の京都」をイメージした「Quality and Relaxing」、上質でくつろいだ気分にさせるという言葉。そしてもうひとつが、車内で情報発信手段として活用されているQRコードです。

QRコードをどう活用しているのか、車内を見ていきます。乗車するとまず目を引くのは、ユニークな中吊りポスターです。

中吊りポスターには、「森の京都」の伝統的な産業である藍染、北山杉、黒谷和紙、柿渋染が使われています。そしてこのポスターに印刷されているのが、QRコードです。中吊りポスターのQRコードをスマートフォンで読み取ると、「森の京都QRトレイン」を紹介するサイトにアクセスすることができます。

京都市右京区京北地区の特産品、北山杉を使った中吊り

座席カバーには「森の京都」を紹介するミニ記事が掲載されています。よく見るとこちらにもQRコードが印刷されており、読み取れば「森の京都」の四季折々の魅力を紹介するサイトにアクセスすることができます。

「森の京都」を紹介するミニ記事

このほか、窓上のポスターやつり革も「森の京都」の伝統的な産業・暮らしをイメージした内容やデザインで統一。「森の京都」の魅力をたっぷり楽しむことができます。

窓上ポスターやつり革も「森の京都」イメージで統一
車窓からは自然豊かな森の景色が楽しめる。馬堀駅~保津峡駅間
京都駅にて。多くの鉄道ファンがカメラ片手に待ち構えていました

「森の京都QRトレイン」は2021年3月13日から令和6年3月末の3年間、主にJR京都駅からJR胡麻駅間で運行する予定です。普通列車として運行するため特別料金なしで乗車でき、運行ダイヤは未定で、ほかの区間を運行する可能性もあります。団体列車としてJR胡麻駅の先の「森の京都」エリア、JR福知山駅方面に運行する企画も立てられているそうです。

文/写真:鶴原早恵子