慈悲の心を実践する「四天王寺」で、聖徳太子の事績を知る

JR法隆寺駅から大和路快速を利用して四天王寺の最寄り駅であるJR天王寺駅へ移動しました。JR天王寺駅は、日本一高いビルあべのハルカスと隣接している一大ターミナル駅。四天王寺へはここから徒歩10分あまりです。

JR天王寺駅(右)とあべのハルカス(左)
四天王寺中門。背後に五重塔が見えます
南門前には聖徳太子の飛び出し坊やがいました

四天王寺は593年に創建された寺院です。法隆寺より少し早めに建てられた寺で、伽藍(がらん)の配置は法隆寺と非常によく似ています。

四天王寺の特徴は、仏教の教えの基本である慈悲の心を実践する「実践寺(じっせんでら)」であることです。そのため四天王寺には、さまざまな宗派の僧侶が集まってお勤めをしています。境内にも、天台宗の元三大師を祀る元三大師堂、真言宗の開祖弘法大師を祀る大師堂、浄土真宗の開祖親鸞聖人を顕彰する見真堂など、宗派を越えたお堂があります。

四天王寺で体験したのは、そんな僧侶の方によるガイドツアー。

「絵堂(えどう)」の壁画を身振り手振り交えて解説

僧侶による聖徳太子や寺院の解説ということで、仏教用語なども多く出てきそうなイメージがありました。しかし、実際の解説はユーモア混じりで、非常にわかりやすいもの。「大阪のお坊さん」らしい、親しみやすさやひょうきんさを感じます。

仏教や四天王寺の説明、歴史のお話はもちろん、境内案内ではゆるめのお話も飛び出します。猫の彫り物がある「猫之門」の由来や、この猫にまつわるさまざまな小話、「番匠堂」という小さなお堂の幟(のぼり)の字に大工道具が使われている理由や、「亀の池」にいる亀の話など、「へー!」と思わず声が出るような話もいろいろ教えていただきました。

「猫之門」の猫はオスの三毛猫だそうです
「番匠堂」の幟。大工道具の「南無阿弥陀仏」がユニーク

四天王寺ではキャンペーン期間中、僧侶による境内案内(要予約)のほか、絵堂の特別御開扉、春季名宝展、特別御朱印の配布などが行われます。

「ちょこっと関西歴史たび 聖徳太子1400年御遠忌」キャンペーンでは、法隆寺や四天王寺以外の寺院でも、境内の案内ツアーなどさまざまなイベントが開催されます。歴史好きな方、鉄道を利用してのお出かけをしたい方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

文/写真:鶴原早恵子

※各企画の詳細、予約・問い合わせなどは、JR西日本が2021年2月24日付けで発表したプレスリリース「ちょこっと関西歴史たび『聖徳太子 1400 年御遠忌』開催について」などをご確認ください。