日本貨物鉄道(JR貨物)は22日、国土交通省に対し、奥羽線 土崎駅~秋田港駅間(通称「秋田港線」、1.8km)の第1種鉄道事業廃止の届出を行ったと発表しました。廃止予定日は2026年7月1日です。

貨物輸送の終了と秋田臨海鉄道の廃止

秋田港線は1907年(明治40年)に開業。長年にわたり、秋田港駅を接続点として、秋田臨海鉄道線を発着する化学薬品や紙製品などを中心とした貨物輸送を担ってきました。

しかし、輸送量は2014年度の20万5000トンから、2020年度には7万9000トンへと大幅に減少。2021年3月には定期貨物列車の運行を終了しており、秋田臨海鉄道も鉄道事業を廃止しています。

クルーズ船客の輸送も今年度で終了

貨物輸送が途絶える一方で、秋田港線は近年、ユニークな活用法で注目されていました。2017年8月より、秋田港に寄港するクルーズ客船の乗客を輸送するため、JR東日本による旅客列車が運行されていたのです。

【参考】
JR東日本秋田支社 4月から秋田港クルーズ列車 運行(※2018年1月掲載記事)
https://tetsudo-ch.com/31331.html

クルーズ船利用者のための列車が貨物線を走るということで、鉄道ファンの関心も集めましたが、この旅客輸送も今年度(2025年度)をもって終了。JR貨物は、旅客列車の運行終了に加え、今後も貨物列車の運行に見合う需要が見込めないことから、同区間の廃止を決定しました。

(画像:JR貨物)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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