サブスクのイメージ画像。簡単にいえば、モノでなくサービスを定額購入するインターネットショッピングといえます。(画像:さゆ吉 / PIXTA)

鉄道業界に限らず、社会全般に広がりを見せるのがサブスクこと「サブスクリプションビジネス」です。サブスクを理解しやすいのは、鉄道でなくて恐縮ですが。1ヵ月8000円ちょっとを払えばもやし山盛りのラーメンを食べ放題の某ラーメン店。これが話題を呼び、コーヒーから焼き肉まで、追随する飲食店が相次ぎました。

鉄道業界のサブスクは「電車乗り放題」だけだと、よほど電車に乗るのが好きな人以外購入しないので、例えば「電車・バス乗り放題+駅そば1日1杯サービス」のように、乗車+α(アルファ)のサービスを付けます。今回は鉄道のサブスクあれこれをまとめるとともに、同じ乗り物の縁で自動車のサブスクと比較してみました。

ICTでサブスクが可能になる

2020年調査でスマホ普及率は2人以上の世帯で84.4%の高率。スマホが鉄道サブスクを後押しするのは間違いないところです=イメージ=(写真:Ushico / PIXTA)

サブスクはもともと出版物の予約購読や定期購読の意味でしたが、ICT(情報通信技術)の進化で、申し込んだ人の識別が簡単にできるようになって、広がりをみせました。サブスク普及で、大きく変わったのが音楽業界。一定の料金を支払えば、スマホで好みの曲が聴けるようになりました。おかげで街のCD店はどんどん姿を消しています(本当はそれほど単純な構図ではないと思いますが)。

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経営の教科書でサブスクを見ると、「ビジネスモデルの一つで、利用者はモノを買い取るのでなく、モノの利用権を借りて期間に応じて料金を支払う方式」とあります。ちょっと待って、これってつまりは鉄道の定期券ですよね。サブスクというと、何かすごい、ナウい(今や誰も使わない死語ですが)と思ってしまいますが、鉄道業界では大昔から当たり前だったわけです。