渋谷駅ホーム移設や秋田新幹線の雪落とし装置 土木学会が学会賞表彰 鉄道関係で10件受賞【コラム】

2021.06.20

大釜駅では温水噴射で秋田新幹線の雪落とし

洗車場を思わせる秋田新幹線の雪落とし装置(画像:土木学会)

もう1件だけJR東日本にお付き合いを。田沢湖線で盛岡駅の1駅手前、大釜駅に設置した「秋田新幹線着落雪対策設備」も、技術賞に選ばれました。秋田発東京方面行き上り新幹線は、豪雪地帯の田沢湖線を走って盛岡から東北新幹線に乗り入れますが、問題なのは冬期間。台車に付着した雪氷が新幹線区間内で落下し、設備を損傷するトラブルが散見されます。

従来は盛岡駅ホームに停車中の秋田新幹線車両に付着した雪を、人海戦術で落としていましたが、この方法は何とも非効率。JR東日本が開発したのが台車融雪装置で、約60度に温めた温水を台車形状に応じて直線、扇状、拡散の3タイプのノズルから噴射して雪を落とします。営業線に台車融雪装置を設置するのは、日本で初めてだそうです。

JRTTは富山駅の路面電車南北接続など3件で受賞

鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)は、「富山駅の路面電車南北接続」「九州新幹線諫早トンネル」「神奈川東部方面線羽沢トンネル」の3件で受賞しました。

鉄道ファンの皆さんに関心を持っていただけそうなのが、富山の路面電車南北接続。富山市ではJR富山駅北側に富山ライトレール(現在は富山地方鉄道に統合)、南側に富山地方鉄道富山市内線という路面電車があります。路面電車南北接続は、北陸新幹線開業を機に在来線(JR高山線と、第三セクターのあいの風とやま鉄道)を高架に上げて、高架下でライトレールと地鉄の線路をつなぐプロジェクト。通常、鉄軌道の連続立体交差は踏切除去を目的に事業化されますが、今回は路面電車をつなぐためで、踏切除去を伴わない連立は全国初めてという、いささかマニアックな話題もあります。

続く九州新幹線諫早トンネルは、土被りが小さい、つまり地表から浅い位置に掘削する延長230メートルの西九州新幹線のトンネルです。JRTTはパイプ状の鋼管でトンネル屋根部を形成する、「パイプルーフ工法」を開発・採用しました。

JRTTが手掛けた西九州新幹線諫早トンネル。天井部にパイプがアーチ状に埋め込まれているのが分かります。(画像:土木学会)

神奈川東部方面線羽沢トンネルは、建設中の東急新横浜線のトンネルで、シールドマシンで延長3150メートルを掘削します。シールドトンネルの壁面は通常、セグメントというブロックで構築しますが、JRTTは地質に応じてセグメントとトンネル壁面に直接コンクリートを打ち込む場所打ちライニングを併用。都市部のトンネルも、山岳トンネルと同様の工法で建設できるようにしました。

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