東京メトロはインドの地下鉄建設で受賞

東京メトロが技術協力したインド・デリーメトロ。ドアが外吊りという点を除けば、日本の地下鉄に似た印象を受けます(画像:土木学会)

ラストになりましたが、今回は海外鉄道プロジェクトで「デリーメトロ都市鉄道建設プロジェクト(インド)」「シンガポール・地下鉄トムソン線226工区」「ベトナム初の地下鉄のシールドトンネル建設」の3件が、技術賞を受賞しました。

このうち東京メトロのほか、本コラムでも取り上げた海外鉄道技術協力協会(JARTS)が参画したのがデリーメトロ。インド人女性が身にまとう裾の長い「サリー」が列車ドアやエスカレーターに巻き込まれるトラブルを防ぐため、ドアレール部分などにブラシ状の「サリーガード」を取り付けて巻き込みを防ぐ、相手国に合わせた鉄道技術というかホスピタリティ(もてなし)の提供です。

個人表彰に触れるスペースはありませんが、お一人だけ、国際貢献賞を受賞した日本コンサルタンツ(JIC)技術本部副本部長の秋山芳弘さんのお名前、記憶のある方がいらっしゃるかもしれません。国鉄からJARTS、JICと40年以上にわたり海外鉄道の技術支援にライフワークとして取り組んできた秋山さんは、本業の傍らで海外鉄道の紹介記事を鉄道誌に執筆。日本と海外の鉄道をつなぐ活動が高く評価されました。

国際貢献賞を受賞したJICの秋山技術本部副本部長(左端)。現在も鉄道業界誌などで精力的に執筆活動を続けます(筆者撮影)

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文/写真:上里夏生