「ながまれ海峡号」で道南の食を味わう

道南いさりび鉄道の観光列車「ながまれ海峡号」。同社に専用車両を用意する余裕はなく、通常は普通列車として運行します。車内にはイカのオブジェも。(写真:道南いさりび鉄道)

ここから話題を広げ、鉄道ツアーが得意な旅行会社の今夏一押しツアーを見てみます。

日本旅行の「鉄道の旅サイト」には、「『WEST EXPRESS 銀河』2021年夏・紀南への旅」、「『ながまれ海峡号』に乗ろう!」、「観光列車『etSETOra(エトセトラ)』せとうちスイーツプラン」、「柑橘香る観光列車『ゆずきち号』貸切乗車」といった鉄旅が並びます。

鉄道ファンや旅行ファンに人気なのが、道南いさりび鉄道の観光列車「ながまれ海峡号」。2016年3月の北海道新幹線開業で並行在来線になった、三セクの道南いさりび鉄道を走る観光列車です。「ながまれ」は道南の方言で「のんびりして」を表します。

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海峡号は気動車2両編成でJR函館―木古内間を往復します。ツアーは、「道南の味覚を味わいながら、懐かしさや昭和モダンを感じさせる鉄道の旅を楽しんでもらい、手づくりのもてなしで歓迎する」がコンセプト。目玉は食で、函館のスイーツ、木古内のイタリアンなど往復で変化を付けます。2021年は5~10月の特定日に運行。ながまれ海峡号は、2017年1月に開かれた6回目の「鉄旅オブザイヤー2016」で、最優秀賞のグランプリに選ばれています。

クラツーは新金線から生中継

近鉄の制服姿の中川家礼二さんらが会場を笑いの渦に。クラツー伊勢の旅の爆笑鉄道トークのワンシーンです。(写真:クラブツーリズム)

クラブツーリズムの「鉄道の旅特集」も「8つのD&S(デザイン&ストーリー)列車でめぐる!九州鉄道浪漫」、「貸切車両での運行が実現!昔懐かしき関西6つのローカル線の旅3日間(阪堺電気軌道など)」とユニークな鉄旅のオンパレード。クラツーが得意なのは普段、旅客列車が走らない貨物線や短絡線を走る特別列車に乗車するツアーです。

最近話題を呼んだのは、2021年4月24日に催行した「爆笑鉄道トーク!クラブツーリズム専用列車『かぎろひ』、『楽』W乗車 伊勢の旅」です。クラツーは2020年11月、よしもとグループとの協業で、50歳以上のシニアを対象にした旅行クラブ「よしもとスマイルクラブ50」を立ち上げましたが、ツアーではクラブメンバーから参加者を募集。ツアーでは、鉄道好き芸人の中川家礼二さんらが鉄道トーク、貸切列車は複雑な運行経路をたどりながら、途中に洗車体験などを挟み、195人の参加者を満足させました。

文:上里夏生