JR西日本は、博多総合車両所に新幹線安全教育設備を新設。6月から実際に教育を始めた。

背景には、2017年12月に起きた、のぞみ34号の台車亀裂発覚がある。

のぞみ34号の台車亀裂発生は、事故が発生するおそれがあると認められる重大インシデントに指定され、これを機にJR西日本は「安全が確認できないときは迷わず列車を止める、作業を止める」というトップメッセージの発信と安全性向上に向けたハード・ソフトの両面で取り組んできた。

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そして今回、これらの取り組みのさらなる定着と進化、風化防止を図ることを目的に、博多総合車両所に新幹線安全教育設備を整備した。

同施設には、亀裂を再現した原寸大の台車模型やVRによる再現動画など、見て・聞いて・感じて学ぶことができる教材を使用する。

受講した社員からは、「実物大の台車模型を目の当たりにして事象を想像し、背筋が凍る思いがした」「自分だったらどうしようか、どうすべきかをあらためて考えることができた」「模型によりどんなメカニズムで異臭・異音が発生したのか、理解がよりすすんだ」といった声があった。

JR西日本は、「社員一人ひとりが能動的に学び、リスクを具体的に考え、対策や仕組みの背景をより体系的に理解するとともに、将来へ継承していくことで、継続的な安全性の向上を実現していく」と伝えている。

◆山陽新幹線 新下関で上り列車が誤入線、下りホームから再出発
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