コロナで大打撃 2020年度の三セク鉄道は40社すべてが赤字 ローカル鉄道の存在意義を考える【コラム】

2021.09.11

鉄道は「地域のシンボル」

さて、三セク鉄道の経営が非常に厳しいのは分かりましたが、そんな地方鉄道の存在意義はどこにあるのでしょうか。JR、大手私鉄、地方鉄道を紹介するとき、しばしば登場する慣用句が「地域のシンボル」です。

例えば、ある鉄道が廃止されてバス転換されると、どうなるでしょう。当たり前ですが、本サイトに登場しなくなる!? そうですね、鉄道がなくなると注目度が下がります。

赤字解消を目的に鉄道が廃止されてバスに置き換えられた地域では、沿線住民や来訪者から「確かに移動は可能だが、鉄道があった当時に比べ何となく寂れた感じがする」の言葉が聞かれたりします。

「シンボル=知的資産」わ鐵の報告書から

わ鐵の車両三態。客車タイプの「トロッコわたらせ渓谷号」をけん引するディーゼル機関車のDE10、気動車タイプのトロッコ列車「WKT-550形気動車」、現在は引退した初期形「わ89-100形気動車」=写真左から=(画像:わたらせ渓谷鐵道知的資産経営報告書)

地域のシンボルという漠然とした言い方を、「知的資産」の表現に置き換えたのが、群馬・栃木県を走る三セクのわたらせ渓谷鐵道(わ鐵)です。ルーツは国鉄足尾線で、足尾銅山の銅鉱を運んで日本の産業発展に貢献しましたが、1973年の閉山などで輸送量は減少。1989年に三セク転換されました。

わ鐵が2013年に公表したのが「知的資産経営報告書」。報告書は、「観光や産業振興につながる沿線の地域資源を、社内外を合わせた人材の力で、目に見える形に資産化することが、わ鐵のDNA(遺伝子)」と宣言しました。

次ページ地域との共存共栄の関係を築く手立てが鉄道


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