N700Sに鉄道友の会のローレル賞 東京駅で授賞セレモニー 「令和の鉄道車両の完成形」【コラム】

2021.10.31

N700S車両に取り付けるプレートを除幕

鉄道友の会の「2021年ローレル賞」に選ばれた、JR東海のN700S新幹線車両の授賞セレモニーが2021年10月30日、東京駅19番ホームで開かれました。東海道・山陽新幹線で13年ぶりのフルモデルチェンジ車として2020年7月、営業デビューした新鋭車は、安全性、安定性、信頼性、環境特性などを大幅に向上させ、「令和の鉄道車両の完成形」(鉄道友の会の久保敏副会長)と呼ぶにふさわしい車両性能を実現しました。

デビュー間もないN700Sですが、2021年度増備車は車いす対応のフリースペースを拡大、今秋には車内テレワーク対応の「S Work車両」が登場するなど、進化が止まりません。2022年秋ごろの開業を予定する西九州新幹線にも、N700SのJR九州バージョンがお目見えします。

700系登場から22年 時代にあわせて進化を遂げてきた

N700Sにつながる700系新幹線が登場したのは1999年3月で、既に22年が経過しています。N700Sの製造・投入は、2016年6月に発表。2018年3月に確認試験車が登場した後、2020年に量産車が営業デビューしました。現在は19編成が、東京―博多間「のぞみ」などとして快走します。

外観は、先頭部左右両端にエッジを立てた違いはあるものの、遠目にはN700(N700A)との判別は困難。しかし、中身を大きく変えたのがN700Sで、社会が鉄道に求めるものを実現した、文字通りの次世代車両といえるでしょう。

グリーン車、普通車ともに乗り心地を改善

乗車して感じるのが乗り心地の良さ。グリーン車のシートは、足首のくるぶし中心に回転し、背もたれと連動して沈み込む機構を採用、長時間乗車でも疲れを感じさせません。普通車も、シートと背もたれが連動する構造です。

車内セキュリティーでは、従来は1両当たり2台だったカメラを4台または6台に増設。万一の停電時、バッテリー走行で長時間停車を回避できるのも、利用客の安心感を高めます。内装の一部には廃車された新幹線車両を再利用し、鉄道のエコを実践します。

床下機器を小型化して自由な編成を組める

走行系では、床下機器を小型化することで、柔軟な編成が可能に。東海道・山陽新幹線は16両編成が基本ながら、西九州新幹線では6両編成で同等の高性能を発揮します。

サービス面では、2021年10月から車内テレワーク対応の「S Work車両」が、東海道・山陽新幹線「のぞみ」全列車に登場。両新幹線はビジネス客の利用が多く、「移動しながら仕事」の社会的需要に対応します。N700Sを使用する「S Work車両」では一部区間でのサポートツールの貸し出しなどを行います。

ポストコロナ時代にあわせて今秋、登場した車内テレワーク対応の「S Work車両」=イメージ=(画像:JR東海)

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