大雪で留置された車両(左上:厚別駅、右上:苗穂駅)と北広島駅の除雪作業の様子(下) 画像:JR北海道

記録的な大雪により札幌駅発着の列車運休が続くJR北海道。

同社は7日、お詫びとともに鉄道線路における除雪の特殊性や運転再開に向けた取組等を紹介するリリースをWEBサイト上に掲載した。

雪に埋まった留置車両を掘り出す

2月6日の大雪により、多くの列車が運行不能に陥り、複数の駅に留置された。今回は17駅に29編成が留まった。留置車両が残っている状況では、除雪用機械で本線をまっすぐ除雪していくというわけにはいかない。

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車両手前までは機械除雪し、埋まった車両の付近を人力で掘り出して車両を移動。その後、次の留置列車に向かい同様の手順で列車を動かしていくという手順を取る必要がある。除雪に時間がかかり、見通しがなかなか立たない理由はここにある。

上り本線のように留置車両がいなければ除雪用機械をまっすぐ進ませることもできるが、留置車両がいる場合は赤矢印の経路をたどって車両前後の除雪をする必要がある(画像:JR北海道)

また、除雪に時間がかかる理由として、同社は「除雪用機械の過負荷による突発故障」「高架駅における排雪作業」も作業が遅れる原因として挙げている。

影響の多い区間から優先的に除雪

「手稲~札幌~新千歳空港間」の作業を優先的に進めているのは、札幌圏で使用する主な車両の基地が手稲にあるため。

また、札幌~南千歳は道南・道東など各方面へ向かう列車が重なって運行する区間であり、影響の大きさを考慮すれば優先的に除雪する必要がある。

札幌市では2月6日の大雪で24時間の降雪量「過去最高」を記録。JR北海道も様々な降雪対策をとっているが、積雪1メートル越えは8年ぶりで、例年以上の降雪量に「対応に苦慮している」という。

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1日あたり1100人規模! JR北海道が人力で除雪する作業の過酷な現実(※2020年掲載記事)
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