当時の国鉄が1964(昭和39)年から1982(昭和57)年にかけて132両つくった勾配線区むけ直流電気機関車―――EF64。

ひし形パンタグラフの0番台とクロスパンタの1000番台、100両以上が活躍した昭和の時代から、令和に入るとJR貨物 愛知機関区に35両ほど、JR東日本 高崎車両センターに2両、同 長岡車両センターに4両と、その数は全盛期の3割ほどまでに減った。

そして2月2日、愛知機関区所属 EF64形1046号機が、大宮総合車両センター(大宮工場)内のJR貨物 大宮車両所で全般検査を終了し、出場。

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出場前の構内試運転では、「祝最終全検 EF64 1000」というヘッドマークをつけて走る姿があった。

このヘッドマークの文字通り、EF64形電気機関車1000番台の全検(全般検査)は、この1046号機で終了。

自動車の車検にあたる全検が最終ということで、これ以降のEF64形電気機関車の全検はない、次の全検時期までで現役を引退するというかたち。

電気機関車の全検周期は72か月、6年ともいわれている。EF64形電気機関車が現役で走る姿が見られるのは、最長であと6年ということか。

画像は同形式、愛知機関所属のEF64形電気機関車の重連運転風景。今回の EF64形1046号機は、前につく青地にクリーム色の国鉄色に戻って出場した。

EF64をこうした全検のタイミングで国鉄色へ戻す作業は、未更新車の廃車にあわせて始まった。現在は、現役の EF64 が更新車だけになったことから、更新色(画像で次位の機関車の色など)を順次やめ、もとの国鉄色に戻している。

また、JR東日本 長岡車両センターに所属するEF64 のなかには、同社の新型車両や機器更新などで各工場を入出場する電車などをけん引するために、自動連結器のほかに密着連結器がつく双頭連結器や、ブレーキ制御用ジャンパ連結器などがついているくるまもある。