東急車輛製造・富士重工業・アルナ工機で1985年から1990年にかけてつくられた、東武鉄道 近郊型 2ドアセミクロスシート車両 6050系。

1両がモーター付き車(Mc)、もう1両がモーターなし車(Tc)の2両編成を基本とする東武6050系は、最盛期に2両編成29本・58両が東武に在籍し、直通先の野岩鉄道に2両編成3本・6両、会津鉄道に2両編成1本・2両が派生した。

東武で勢力を拡大させている特急形車両 500系 リバティなどと同じく、2両という最小編成で増結・解結できるフレキシブル性が重宝し、東武線のローカルエリアと浅草を結ぶ区間快速や区間急行などを担ってきた。

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6050系の一部には、その先代モデルで日本車輌製造とナニワ工機がつくった6000系の生き残りグループもある。

6000系は、1964年から1966年にかけてつくられた2ドアセミクロスシート車両で、電装品や台車、車体を更新。

この6000系は、野岩鉄道 会津鬼怒川線の開通にあわせ、1985年から電気機器・台車・車体などを換装する車体改善工事を実施し、すべての車両が6050系へと更新した。

そんな6050系も、2017年には浅草へ直通する区間急行などが廃止され、活躍の場を日光線南栗橋以北、鬼怒川線、野岩線、会津線の急行・区間急行・普通列車に移した。

さらには昨年12月には急行列車の定期運用が消滅し、会津鉄道がもつ61201編成も、ことし3月に引退することが決まった。

そして2月22日には、東武の6050系が所属する南栗橋車両管区新栃木出張所から、6168・6170・6175編成が、北館林荷扱所へ回送。おそらくのちに解体される見込みで、いよいよ6050系も絶滅危惧種形式になりそうな気配。

画像:tarousite / PIXTA