1100年代後半、平安時代末期から、鎌倉時代を築いた源頼朝(大泉洋)の半生を、坂東武士団(関東勢)の北条義時(小栗旬)視点で描く、三谷幸喜脚本「予測不能エンターテインメント」―――NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。

その第7回「吾妻鏡」は、石橋山の戦いで惨敗した源頼朝率いる北条部隊が、真鶴岬(神奈川県真鶴町)から小舟に乗り、決死の思いで荒波を乗り越え、同じ坂東武士団の安房(千葉県南部)へと渡ったあとの駆け引きが描かれた。

舞台は、これまで北条勢などの郷里である伊豆半島・相模から、房総半島へと移し、千葉の豪族で坂東の巨頭 上総広常(佐藤浩市)や、坂東の重鎮 千葉常胤(岡本信人)を、頼朝や北条が説き伏せるシーンも印象的だった。

佐藤浩市演じる上総広常がいた地が、千葉県一宮町

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外房線 上総一ノ宮駅(画像↑↑↑)から歩いて8分ほどにある玉前神社(たまさきじんじゃ:画像↑↑↑)は、平安以降1000年以上の歴史を持つ古刹。

広常は、頼朝の大願成就にと、この玉前神社に願文と鎧を奉納したといわれ、古くから、朝廷や豪族、庶民の信仰を集めてきた。

一宮町の「一宮」という名も、上総国一宮の玉前神社に由来するといわれている。

また、上総一ノ宮駅は、頼朝が房総へと渡った800年後の1897(明治30)年、房総鉄道が一ノ宮駅として開業させた駅。

一ノ宮駅に上総をつけて上総一ノ宮としたのは、開業から19年後の1916(大正5)年。各地に一ノ宮駅があったことから、同時期にそれぞれに令制国名などをつけて、三河一宮・尾張一ノ宮(尾張一宮)、長門一ノ宮駅(新下関駅)とした。

運行系統がわかれ、列車が停泊する上総一ノ宮駅

この上総一ノ宮駅の南北で、運行系統もわかれる。東京方(北側)は、横須賀線直通列車や京葉線直通列車が、ここ上総一ノ宮まで入ってくる。

安房鴨川方(南側)は、この上総一ノ宮から単線になり、E131系や209系のローカル輸送へと転じる。

こうしたポジションからか、15両編成対応2面3線ホームの北側に引き上げ線が1線、南側には15両編成がとめられる留置線が3本あり、深夜には留置線3本に翌朝稼働にむけて眠る列車の姿がある。

―――2021年には、東京2020オリンピックでサーフィンの会場にもなった、上総広常が治めた地、千葉県一宮町。

なぜ、下(南)に上総があって、上(北)に下総があるかなどは、またこんど。

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