S棟(左)とN棟(右)の2棟の高層ビルが新しい地域のシンボルになるJR東日本と野村不動産の「芝浦プロジェクト」=イメージ=(画像:JR東日本)

新宿、品川(高輪)など、東京都心で複数の街づくりプロジェクトを手がけるJR東日本。今度は、鉄道発祥の地に隣接する、港区芝浦エリアの都市再開発が本格スタートする。地上43階建てと45階建ての2棟の高層ビルが、8年後の2030年度までに完成する。

事業名は「芝浦プロジェクト」。国家戦略特別区域(国家戦略特区)の特定事業として、JR東日本と野村不動産が共同で地域再開発に取り組む。

対象地はJR浜松町駅南東側で、1984年に竣工した40階建ての「浜松町ビルディング」とJR東日本の保有するカートレイン乗降場跡地を一体とした4haを越える土地。「浜松町ビルディング」には東芝が本社機能を置き、「東芝ビルディング」と呼ばれたが、東芝が川崎市に移転して再開発が可能になった。

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計画によると、芝浦プロジェクトではツインタワーを建設。南側(田町寄り)のS棟、北側(新橋寄り)のN棟の2棟にわかれ、43階建てのS棟は、ホテル、オフィス、下層部の商業施設など、45階建てN棟は住宅とオフィス、下層部の商業施設などが入る。

先行するS棟は2021年10月に着工済みで、2025年2月に竣工予定。N棟は2027年度着工、2030年度竣工予定のスケジュールだ。設計者は幕張メッセ、東京体育館などを手がけた世界的建築家の槇文彦さん。

JR東日本と野村不動産は、芝浦プロジェクトから空と海、緑に溶け込む新しい働き方「TOKYO WORKation(トウキョウ ワーケーション)」を提案。S棟のホテルは、フランスの高級ブランド「フェアモント」が日本初進出する。

東京港をのぞむデッキが売りものの「フェアモントホテル」=イメージ=(画像:JR東日本)

JR東日本は、近隣の高輪ゲートウェイシティと連動させながら芝浦の街づくりに取り組む。「東京湾岸エリアから、東京のさらなる魅力向上に貢献していく」とコメントしている。

記事:上里夏生