沿線の名物を食べ尽くす! 栃木の魅力が詰まった日帰り旅へ 東武「DL大樹とちぎグルメ号」体験レポート

東武鉄道が2026年1月24日、「DL大樹とちぎグルメ号」を運行しました。栃木駅から東武日光駅まで約50キロの区間を、DE10形ディーゼル機関車2機が牽引する客車で移動。車窓に広がる風景とともに、沿線のご当地グルメや飲み物、スイーツをたっぷりと楽しみ、停車駅の改札の外でも地域の名産物の試食・試飲ができる贅沢なツアー列車です。昨年9月の開催から2回目となる今回も、県内外から申し込みのあった参加者が乗車。首都圏を中心に、遠くは関西から参加した人も! 充実の列車旅をレポートします。
今回乗車した列車は?

「DL大樹とちぎグルメ号」は、DE10 1109+1号車スハフ14 5+2号車オハテ12 2+3号車スハフ14 501+DE10 1099という編成。先頭は、国鉄時代のディーゼル機関車を彷彿とさせる鮮やかな朱色のDE10 1099。2017年のSL大樹運行開始に合わせてJR東日本から譲り受けた車両です。


DE10 1109は、青色の車体に金色の帯、流星マークが目を引くデザイン。かつて寝台特急「北斗星」をけん引していた当時を思わせるカラーリングです。

車内は今回のイベントに合わせ、座席が向かい合わせにセッティングされていました

中間の2号車は展望車になっていて、ツアー参加者はデッキへ自由に行き来ができました。外の空気をダイレクトに感じながら乗車できます。
【参考】
東武、12系「展望車」を2両導入 ぶどう色と青色で11月デビュー 「SL大樹」の客車に(※2021年9月掲載)
https://tetsudo-ch.com/11804922.html
栃木駅でイベントを開催! ホームではあのキャラがお見送り

「DL大樹とちぎグルメ号」の運行に合わせ、集合場所の栃木駅では南北自由通路を会場として、栃木市観光協会主催、JR東日本高崎支社・東武鉄道協力による「とちぎ電車まつりin栃木駅」を開催していました。地元グルメや鉄道グッズの販売から鉄道模型の展示、缶バッジの作成体験、制服の着用体験までできるとあって大賑わい。出発前の気分を高めます。

出発前の栃木駅2・3番線ホームには、東武鉄道の職員や栃木市マスコットキャラクターの「とち介」、栃木市に本社や「岩下の新生姜ミュージアム」がある「岩下の新生姜(R)」の公式キャラクター「イワシカ」、大川栃木市長も駆けつけ、たくさんの人に見送られながらの出発となりました。
【栃木駅】いも入り焼きそばなど地元の人気グルメがずらり

DL大樹とちぎグルメ号に乗車すると、テーブルの上には栃木のグルメが所狭しと並んでいました。大豆生田( おおまめうだ )やきそば店の名物「いも入り焼きそば」はパックにぎっしりと詰まっていて、じゃがいももゴロゴロと入っているためボリューム満点! 聞くところによると、これでも店頭で販売している一番小さなパックよりも少量なのだとか。

ちょっ蔵すぎのこからは、同じくとちぎ名物の「いもフライ」。社会福祉法⼈すぎのこ会で収穫したキタアカリを使用。特製のカレーソースがよく合って美味しい! プライベートでも栃木でいもフライを度々食べている筆者ですが、ソース味のものばかりだったため、カレー味はかなり新鮮でした。

もみじ庵からは「太平山三大名物」(玉子焼き・焼き鳥・だんご)。栃木駅からバスでアクセスできる「太平山神社」の門前名物です。生後35~40日のひな鶏「十千木鶏」を使用した焼きとりのおいしさはもちろん、栃木市のブランド卵「かきぬまさんちのたまご」を使った、やや甘めに味付けた玉子焼きも印象的でした。あんこがたっぷりの団子も食べれば、早くもおなかがいっぱいになってきました。

これらの食事に添えられた飲み物は、栃木市の老舗「油伝味噌」が2023年に作り始めた、栃木市産大麦を使用した「蔵の街ラガービール」。ラガービールとしては苦味が少なく飲みやすい味。日光市・渡邊佐平商店の「特別純米カップ」は何といっても大樹ラベルがかっこいい! プリントされたゴールドのSLと黒の背景の組み合わせがおしゃれで、コレクションしたくなります。

鹿沼市にあるおさらぎファームの「板荷(いたが)茶」は、かつて駅弁と一緒に販売されていた水筒型ポリ容器に入って提供されました。ノスタルジックな雰囲気だけでなく、上品な味わいにも満足。そして、栃木と言えば!の「栃木レモン牛乳」もあり「発車したばかりなのにサービスしすぎじゃない?」と思ってしまう種類とボリュームに圧倒されたのでした。
かぬまシウマイの試食やベリーちゃんのおもてなしも!

栃木駅から約30分で、新鹿沼駅に到着。ここでは50分ほど停車し、改札の外に出て試食タイムに突入! かぬまシウマイといちごワインを楽しみました。

「かぬまシウマイ」は、シウマイでおなじみ「崎陽軒」初代社長の野並茂吉氏が鹿沼市出身であることから生まれたご当地グルメ。新鹿沼駅前にはシウマイの自動販売機があり、JR鹿沼駅前にはシウマイの像もあるんです! 今回試食したのは、栃木のご当地スーパー「ヤオハン」のニラシウマイと岩下新生姜シウマイ。蒸したて熱々を味わいましたが、おぉ、レベルが高い! やさしい味付けでやわらかな食感。いくつでも食べられそうです。これがスーパーで買えるなんて、地元の人が羨まし過ぎる……。

隣のブースでは、かぬま里山わいんの「いちごワイン」を試飲。鹿沼産の新鮮なスカイベリーをワインにしたもので、甘さは意外と控えめ。爽やかな酸味が広がり、飲みやすい味でした。つい飲みすぎてしまいそうです。

駅前には鹿沼市のマスコットキャラクター「ベリーちゃん」とベリーちゃんのテーマソング「いちごのまちから幸せとどけ」を歌う3人組「ベリーブルーム」のみなさんがスタンバイ。普段は栃木県内の道の駅などでライブを行っているのだとか。
【新鹿沼駅】いちご尽くしのパフェや杏仁豆腐、名物パンも!

新鹿沼駅からは、途中で下今市駅に停車しつつ、終点の東武日光駅へ向かいます。車内に戻ったらデザートタイム。Patisserie LA FOSSETTE(パティスリーラフォセット)の「いちご杏仁豆腐」は、いちごと杏仁豆腐、ゼリーも入っていて、滑らかな舌触り。あれだけ食事をした後でもペロリと食べてしまいました。
先ほど緑茶を堪能したおさらぎファームの「和紅茶七福」は、板荷茶の茶葉を100%使用した和紅茶。緑茶同様に上品な味わいでした。
那須に本店があるベーカリー、ペニーレインはソラマチや柏の葉、つくばにも店舗があり、筆者にとってはおなじみの店。看板商品「ブルーベリーブレッド」はブルーベリーを練り込んだ生地に、ブルーベリージャムを約130gも巻き込んだ贅沢な逸品。こちらは持ち帰って帰宅後の楽しみに。トーストして食べるとブルーベリーの香りが引き立ち、幸せな気分になれます。

最後に登場したのは、アンジェル洋菓子店の「いちごパフェ」。パティシエと、小さな頃から列車が大好きだという息子さん、娘さんも同乗しており、パティシエからデザートのこだわりについて伺うことができました。

いちごパフェには沿線のいちご農家が協力のもと「とちあいか」「とちおとめ」「スカイベリー」3種類のいちごを贅沢に使用。生クリームや自家製とちおとめジャム、ラズベリーソース、マスカルポーネ、生クリーム、スポンジが層になっていて、宇都宮のワインを使った赤ワインジュレやサクサクのチョコクッキーの食感も楽しめる本格派です。最後に写真の見本を見ながら飴細工とカシスメレンゲを各自トッピングし、自らの手で完成させます。
「店頭でも食べることができない、このイベントのために考案されたデザートを楽しんでほしい」と、列車で食べることはあまりないパフェをあえてセレクトしたそう。飾りつけをして、写真を撮って、味わって。車内で貴重な経験ができました。
【東武日光駅前】最後にいちごを試食!

約2時間半の鉄道旅があっという間に終わり、最終地点の東武日光駅に到着。新鹿沼駅を通過した時点では晴天でしたが、東武日光駅前では小雪が散らついていて、標高差を体感しました。

駅前広場には、市民の足として1953年から15年間活躍していた「東武100形電車」10両のうちの1両が、当時の姿に復元・展示されています。

ここでは最後のおもてなしとして、栃木県産いちごの試食がありました。

鹿沼市「出会いの森いちご園」と日光市「だいもん苺園」、それぞれの農園のいちごを1粒ずつ試食。食べ比べてみると、農園によっていちごの見た目も味も全然違う! いちごやその加工品、かぬま里山わいんなどの販売も行っていて、最後の食と買い物を楽しみました。
2回目の開催となった「DL大樹とちぎグルメ号」。車窓を流れる景色とともに、地域の人々のあたたかなおもてなしと、地元の味を堪能する。心もお腹も満たされ、時間の経つのがあっという間でした。県外からのツアー申し込みは満席で、前回からのリピーターも多かったとのことですが、今回も満足度の高い旅となったのではないでしょうか。
次回の開催は、9月頃を予定しているとのこと。今回は参加できなかったという人は、続報を楽しみに待ちましょう!
文/写真:斎藤若菜
鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)
【関連リンク】