「鉄道が好き」だけでは就職できない

さて、セミナーの内容から「鉄道で働く」に発想を飛ばします。新幹線から観光列車まで、空前といわれる鉄道ブームもあり、本サイトをご覧の就活中、これから就活の学生さんには「鉄道で働きたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。

確かに鉄道会社は魅力的な就職先ですが、JRや私鉄はかなりの難関で、「鉄道が好き」だけでは、なかなか採用してもらえません。

そんな時、発想転換してグループ会社や協力会社、施工会社から好きな鉄道に関わる選択肢も検討する価値がありそうです。

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今のところ、鉄道会社が採用に苦労したとはあまり聞きませんが、協力会社や施工会社では「募集してもなかなか人が集まらず、採用に苦労する」の話が聞かれます。

「鉄道オープン・カレッジ」と「鉄道就活応援隊」

2021年11月に幕張メッセ、2022年5月にインテックス大阪で開かれた鉄道技術展。会場にはリクルートコーナーが開設されました(筆者撮影)

今回は東京メトロの業務改革を取り上げましたが、「働きやすい職場づくり」、「夢を実現できる職場づくり」の取り組みは鉄道各社で進みます。

最後にワンポイント、鉄道業界への就活に特化した新聞社系サイト2つをご紹介します。一つは鉄道技術展を主催する産経新聞社が2022年4月に開設した「鉄道オープン・カンパニー on the web」。採用活動中の企業名や仕事の中身を多角的に案内します。

もう一つは「JR時刻表」や「旅の手帖」を発行する交通新聞社が、新規事業として2022年2月に開設した「鉄道就活応援隊」。施設、車両、電気といった分野別に鉄道の仕事を紹介。業界の新着情報や就職に関する話題を発信します。近く先輩からのメッセージも掲載されるようです。

鉄道が今後も機能を発揮するため、避けて通れない課題が人材確保。鉄道好きの皆さん、業界の一員になって、自らの手で鉄道を育ててみませんか。

記事:上里夏生

※2022年8月1日(月)15時……掲載記事1枚目のキャプションを修正いたしました。(鉄道チャンネル編集部)