ドラクエやドラえもん映画とのタイアップ案も

岬町から大阪湾を西へ渡れば、堀井雄二さんの出身地洲本市へ辿り着きます。写真は洲本城の模擬天守閣(バッシー / PIXTA)

交流会に初回から参加する成城中高は、テレビゲームとタイアップした多奈川線のイメージアップ作戦を披露しました。

ゲーム「ドラゴンクエスト」の生みの親、堀井雄二さんの出身地は兵庫県洲本市。対岸の岬町を「竜王の城」に見立て、いわゆる聖地巡礼で人の流れを生み出します。

目黒学院中高は、映画とのタイアップを発案。映画ドラえもん「のび太と竜の騎士」には、「多奈川」の地名が登場するそう。ラッピング車両のアイディアが膨らみます(※鉄道チャンネル編集部注……「ドラえもん」の舞台は関東であることから、モデルは同名の多奈川ではなく多摩川と考えられます)。

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渋谷中高は、訪日外国人が数多く訪れる東京→富士山→京都・大阪に岬町を加えた、「新ゴールデンルート」を提案しました。

審査の結果、芝中高に岬町長賞、成城中高に地鉄交流会賞が贈られました。

難波、関空発多奈川行き「レストラン列車」

最後に、兵庫と石川からの2校。兵庫の三田学園中学・高校は、難波―多奈川間、関空―多奈川間を走る「レストラン列車」を発想。車内では、沿線の景色を楽しみながら、大阪湾の海の幸を味わいます。

石川の内灘高は、海に向かう鉄道として多奈線との共通性も多い地元の北陸鉄道浅野川線を研究。同線が阪急電鉄を理想に、かつて沿線に遊園地や劇場を開設して発展を遂げた鉄道史を解き明かしました。

デビュー60年の6000系から最新の8300系まで

中高生の発表後には、南海鉄道営業本部統括部の窪田勇輝課長が「南海電鉄の〝なんかいい〟ACTION」のタイトルで講演。

南海には、1962年デビューの6000系から2015年登場の8300系まで、多彩な列車が走ります。最新の話題では、2023年春開業を予定する鉄道新線・なにわ筋線乗り入れの新型車両開発に取り組むことなどを披露しました。

交流会では、企画部門の優秀賞のほか、写真部門の入賞者にも賞状や記念品が贈られました。

写真部門でフォトサービス会社・LEAM Japan社長賞を受賞した三田学園中高チームの「夏空」。LEAM Japanは写真講座の講師を務めました
同じく南海社長賞を受賞した岬高チームの「待ちわびた瞬間」

記事:上里夏生
(写真は一部出典を明記されているものを除き全国高校生地方鉄道交流会提供、一部写真協力・スリージェイトラベル)