観光きっぷや夕日クルーズでにぎわい演出

参加校全員での記念撮影。最前列Vサインが南海社長賞の浪速中高です

期間限定で運航される深日洲本ライナーと、多奈川線を組み合わせた企画きっぷは、多くの学校が発想しました。

地元の岬高校はホスト校。「深日洲本ライナー・多奈川観光きっぷ」を発案しました。明石海峡大橋の開通後、関西圏から淡路島を訪れるには大橋経由の北回りがメーンになりましたが、大阪南部からは深日港利用の南回りが便利。観光きっぷは、双胴船の待ち時間に岬町内を散策してもらう狙いです。

もう一つの誘客策は、大阪湾周遊の「夕日クルーズ」。岬町は〝大阪湾の映えスポット〟で、深日港にキッチンカーを誘致してにぎわいを演出します。

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広島の修道中学・高校は、釣りやサイクリングの体験型観光を発表しました。そして、同校が鉄道ファン目線で考えだしたのが「多奈川線夏祭り」。深日町駅前広場でイベントを開催し、港では花火を打ち上げます。

釣り上げた魚をさばいて列車で運ぶ

開催地・大阪からは岬高のほか、清風中学・高校、浪速高校・中学、岸和田高校の3校が参加。南海社長賞の浪速中高は、①多奈川線に旧塗装の車両を走らせ、ダイヤをホームページで公開、②深日町駅を改修してビュースポットに、③釣った魚をその場でさばいてパッキング、南海電車も利用して自宅に配送、④深日港にオブジェを設置して、夕日のフォトスポットに――と、多彩なアイディアを出しました。

南海の新旧塗装を並べた浪速中高の発表画像。交流会も11回目とあって参加各校のプレゼンも手慣れたものでした(筆者撮影)

魚を電車で運ぶのは、新幹線でおなじみの「電車モーダルシフト」。さらに魚をさばいてくれれば、「釣るのは好きでも料理は苦手」の釣りファンに喜ばれそうです。

清風中高もサイクルトレインを提案しましたが、関空利用客のため、空港線と本線が接続する泉佐野駅にロードサイクルの組み立て場所を開設。岸和田高も地元目線で、多奈川線の可能性を語りました。

電車+サイクリング=MaaS

東京からは目黒学院中学・高校、渋谷中学高校、成城中学・高校、芝中学・高校の4校が参加しました。

芝中高は、多奈川線沿線から淡路島への一帯を「鉄道・サイクリング複合エリア」として、SNSなどで国内外に発信。遠方からのサイクリストのために、シェアサイクル(貸自転車)を用意しますが、予約や貸し出しをMaaSにすれば、外国人観光客もストレスなく利用できます。