桜と津軽鉄道(写真:pirikara / PIXTA)

地方ローカル線の利用促進に、鉄道ファンのお知恵拝借!!

日本旅行の地域子会社・日本旅行東北が全国の鉄道ファンから募集した、列車ツアーのアイディアコンテスト(ツアコン)「JR五能線と津軽鉄道(津鉄)で叶えたい夢」の審査結果がまとまり、神奈川県のファンが寄せた津軽鉄道「桜の季節の夜行列車」が最優秀賞の大夢賞に選ばれた。

鉄道会社や旅行会社が企画する一般的な旅行商品から一歩踏み出し、鉄道ファンから「こんなツアーなら参加したい」という発想を寄せてもらうのがツアコンの狙い。青森県西北地域県民局が主催し、鉄道ツアーを得意にする日旅東北が業務を受託した。

2022年7月11日~8月10日の応募期間に115件の作品が寄せられ、地元関係者らで構成する検討委員会で選考した。

大夢賞は、神奈川県の中村敦さんが応募した津鉄の夜行列車。津鉄の芦野公園駅(五所川原市)は春シーズン、桜のトンネルを列車が走ることでファンにおなじみ。夜行列車の発想は複数あったが、車両やライトアップの方法を具体的に示した中村さんが最優秀賞に決まった。

次点の「ちょっとマニアック、だけど楽しそう『斬新夢』賞」は、地元・青森県のうっしーさんのJR五能線「五能線縦貫ウルトラクイズ」、埼玉県のikura1159さんのJR五能線と津軽鉄道「相互乗り入れ」の2件。

縦貫ウルトラクイズは、かつての人気テレビ番組のリバイバル版。クイズに不正解だと途中下車というハードな中身で、秋田、青森の両県を日本海沿いにつなぐ五能線の魅力を発信する。

津鉄と五能線の相直は、津鉄の旧形客車をJRのSLにけん引させるなど、鉄道ファンならずとも興味津々のメニューが満載。

日旅東北は今後、応募作品の実現可能性を検討。「必ずしもツアー催行は約束できないが、極力ファンの皆さんの夢を叶えたい」と話している。

記事:上里夏生