第三セクター設立に関する協定書の調印式(写真提供:大田区)

大田区と東急電鉄は2022年10月21日、新空港線(通称「蒲蒲線」)の整備主体となる第三セクター発起人として、2022年10月14日に羽田エアポートライン株式会社を設立したと発表しました。

資本金は2億9500万円、出資比率は大田区が61%、東急電鉄が39%です。代表取締役社長には大田区副区長である玉川一二氏が就任しました。

新空港線(蒲蒲線)は東急多摩川線を延伸して京急空港線に接続するプロジェクト。約800メートル離れている東急の蒲田駅と京急蒲田駅を地下路線で結び、羽田空港へ乗り入れるという計画です。

東急多摩川線の矢口渡駅から地下へもぐり、東急の蒲田駅、京急蒲田駅を経て大鳥居駅まで向かう構想ですが、東急多摩川線は狭軌(1067ミリ)、京急空港線は標準軌(1435ミリ)と軌間が異なるため、直接乗り入れるには三線軌条化やフリーゲージトレインの開発などが必要となります。

そこで、矢口渡駅~京急蒲田駅間を第1期事業と位置付けて先行整備し、まずは京急蒲田駅と接続することで京急空港線と乗り換えられるようにします。大田区と東急電鉄は今後、新空港線の事業化に向けて、羽田エアポートライン株式会社を中心に同区間の検討の深度化を進めていくとしています。

先行整備のメリットとして、交通政策審議会の『東京圏における今後の都市鉄道のあり方について』(第198号答申)では、「JR京浜東北線、東急多摩川線及び東急池上線の蒲田駅と京急蒲田駅間のミッシングリンクを解消し、早期の事業効果の発現が可能である」とされています。

また、東急東横線などとの相互直通運転を通じて、国際競争力強化の拠点である渋谷、新宿、池袋などや東京都北西部・埼玉県南西部と羽田空港とのアクセス利便性向上も見込まれます。

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