地域観光資源としての鉄道に期待

さて、今回のツアーで影の主役と呼べるのが台東区観光課です。台東区には浅草寺、上野公園、東京国立博物館、アメ横と有名スポットがあって集客に苦労しないのですが、それでも広く深く地域を知ってほしいというのが台東区の考え方。

そこで、新しい観光資源として目を付けたのが鉄道。台東区とクラツーは2021年11月に「観光分野における連携協定」を締結し、2022年7月の東京メトロ車両基地と岩倉高校見学ツアーに続き、今回の浅草駅探検ツアーを企画しました。

「浅草のことをもっと知りたくて」

駅放送体験に挑戦するツアー参加者。東武社員の話によると、駅や車内放送が鉄道ものまねでおなじみの鼻声になるのは、「昔の放送設備は性能が良くなかったので、鼻声のように聞こえたから」とのことでした(筆者撮影)

最後に、後編でもツアー参加者の方にお話をうかがいました。松屋屋上でのミニインタビューに答えてくれたのは女性2人組。〝女子鉄〟と書きたくなってしまうところですが、参加のきっかけは「浅草のことをもっと知りたくて」。たまたまかもしれませんが、東武沿線の地元の方という点が、前編でインタビューした親子連れの方にも共通します。

ブームを呼ぶ旅行会社が企画する鉄道ツアー、鉄道ファンだけでなく、地域をもっと深く知りたいと思う、探求心を持った方に受け入れられているのが人気の秘密なのかもしれません。

ご紹介した東武浅草駅裏側探検ツアー、2022年内はここまでですが、年明け2023年1~2月にも継続実施されます。興味のある方は、ぜひクラツーのホームページをチェックしてみてください。

記事:上里夏生