超高齢化社会、さらにすすむ人手不足、コロナによる行動変容……日本経済の行方をにぎる技術革新のひとつが、DX(デジタルトランスフォーメーション)。

観光産業や飲食業界にも、新たな可能性とビジネスにむけて、DX化が加速している。東京ビッグサイトで2月に開かれた国際ホテルレストランショーHCJ2023でも、そんなトレンドを体感。

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会場でひときわ注目を集めたのが、「ソフトクリームロボット」。「食産業をロボティクスで革新する」を掲げるベンチャーのコネクテッドロボティクス(東京都小金井市)が開発したユニークなロボット

この「ソフトクリームロボット」は、都内中小企業者などのVR・AR・AI などの先端技術を活用した社会課題解決に資する優れたコンテンツやソリューションを選出し、東京都が活用促進や販路開拓などを支援する「TokyoContents/Solution Business Award2022」の奨励賞を受賞。産業界からも注目を集めるソリューションアイテムのひとつだ。

日世製ソフトクリームサーバーにロボティクスを後付け、行列できるほど人気


 

コネクテッドロボティクス製「ソフトクリームロボット」は、その名のとおり「ソフトクリームの品質を均一化し、人手不足を補う人気者」。

既存の手動でつくる日世製ソフトクリームサーバーに後付けするロボティクスシステムで、「ソフトクリームのおいしさはもちろん、店舗でしか味わえない楽しさやよろこびも提供するスイーツ」という。

実際に、国際ホテルレストランショー
HCJ2023で展示された実機で試してみると、「ウィーン」「ぐーるぐる」と牛型のロボットが話しかけながら、フルオートでソフトクリームを巻いてくれる。

この姿に、大人も子どももみんな釘付け。試食タイムには行列ができ、来場者たちは口をそろえて「おもしろいこれ」「うちにもほしい」「かわいい」と笑い、和む。

人手不足解消、品質安定、そしてPRタレント性

導入施設の人気者になることは間違いないうえ、SNSなどで拡散されることで、その施設のPRにもつながる。

もちろん、ロボティクス化で人手不足解消にも貢献。新人への教育コストを削減できるほか、ソフトクリームの品質や提供量も安定する。

専門知識がなくても40分でロボット設置OK。1時間当たり最大133個のソフトクリームをつくることができ、納品された日からロボット導入の効果を実感できるという。

導入シーンにあわせてチューニングもOK、非接触で衛生面でも安心

道の駅や高速道路サービスエリア、そして各地の商業施設やホテル・スパ施設など、あらゆる導入シーンでオリジナルのチューニングもOK。

たとえば「いらっしゃいませー!」といった声。これもオプションで変更することも可能だという。

また、重量センシングでソフトクリームの柔らかさに合わせて巻くスピード・量も調整でき、常に安定してソフトクリームを巻けるのもうれしいポイント。

さらに、客との接触がなくソフトクリームがつくれることから、衛生面でも安全・安心感がある。

駅に登場したあのロボットもコネクテッドロボティクス製

実はこのコネクテッドロボティクス。もうひとつのロボットで注目を集めたのも、記憶に新しい。

そう。JR東日本の駅に出現した「そばロボット」。実はこのロボットもコネクテッドロボティクスがつくった“傑作モデル”のひとつ。

ソフトクリームロボットはすでに20台が元気に日本各地で稼働中。JR東日本の駅そばロボットは30台導入予定のなか、すでに5台が稼働中。オプションでゆで麺機省エネシステムを導入すれば、「人件費のほか、来店客の増減やニーズにあわせたエネルギー調整で光熱費コストも削減できるという。

―――東京都 産業労働局 商工部 経営支援課事業も期待する、こうした都内中小企業者の先端技術。次はどんなソリューションやコンテンツが出てくるか、注目を。

◆コネクテッドロボティクス
https://connected-robotics.com/

◆東京都「Tokyo Contents/Solution Business Award 2022」
https://tcsba2022.jp/