リテールテックに登場したTTGの模擬無人店舗(筆者撮影)

JR東日本グループの流通スタートアップ(ベンチャー)「TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー=TTG)」が、2023年2月28日から4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた「NIKKEI MESSE(日経メッセ)街づくり・店づくり総合展」(日本経済新聞社主催)に出展。無人決済(支払い)システム「TTG-SENSE MICRO」を実演して、来場者の注目を集めた。

TTGは2020年3月、山手線に暫定開業した高輪ゲートウェイ駅でJR東日本が実践した先端ビジネスの一つ。天井のカメラや棚の重量センサーで、来店客が手に取った商品を確認して購入する次世代型の無人店舗だ。決済には現金のほか、Suicaなどの交通系ICカード、クレジットカードが使える。

鉄道関係では、秋田・青森県を走るJR東日本の観光列車(臨時快速)「リゾートしらかみ」車内での土産品販売などに活用されるほか、西武鉄道や近畿日本鉄道の駅コンビニにも事業展開。鉄道以外でも、千葉市のガソリンスタンドや埼玉県川越市の郵便局などで採用されている。

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新しい技術進化では、AI(人工知能)を活用した画像認識の精度向上で、棚置き以外のフック式商品や冷凍商品、たばこ類などの販売が可能に。導入経費については、国の予算で中小企業のシステム改革を支援する、IT導入補助金制度のIT導入支援事業者」に採択されて普及にはずみが付く。

TTGは販路拡大のため、東芝グループの流通システム会社・東芝テックと資本提携。今回は、東芝テックが出展する日経メッセの「リテールテックJAPAN 2023」に参加した。

7万7160人が来場した39回目のリテールテックでは、会場の一角にTTGの無人店舗を模擬設営。棚には食品類や調味料などが並べられ、多くの来場者は購入商品を自動計算・決済できる未来店舗を体験した。

記事:上里夏生