骨盤底筋トレーニング最新トレンドを城西国際大学 理学療法学科 理学療法士が解説、出産や加齢で傷んだ筋肉を鍛えて尿もれや子宮脱の悩み解消へ
フェムテックという概念が浸透し、性差に配慮した医療・ヘルスケアの重要性が注目されているなか、看護師や薬剤師、理学療法士など医療分野で活躍する人材を輩出している城西国際大学は、生涯を通じて重要となる骨盤底筋機能ケアについてのセミナーを開催。
同大学 福祉総合学部 理学療法学科 横井悠加 准教授が登壇し、「女性のライフステージと骨盤底」「骨盤底筋機能のケア」などについて解説した。
骨盤底筋群は、骨盤の底に位置し、子宮・膀胱・尿道・直腸といった臓器をハンモックのように下から支えている筋肉群。
普段の生活では意識されにくい部位で繊細な骨盤底筋群は、加齢とともに緩んでくると、頻尿や尿もれ、便失禁、体型崩れ、骨盤内の臓器が下垂するといった症状が出てくることから、骨盤底筋機能のケアが注目を集めている。
城西国際大学 横井 准教授「4人出産すると臓器が下垂する確率が10倍に」
城西国際大学 理学療法学科 横井悠加 准教授は、「たとえば子どもを4人出産すると、未出産者と比較して臓器が下垂する確率が10倍にもなる」と伝え、こう続けた。
「出産時、骨盤底筋群の損傷が大きくなりやすい順からいうと、器械分娩、経膣分娩、帝王切開の順。また分娩時間にもよる。分娩時間はできるだけ短いほうがいい。妊娠後から分娩の時間を短くするには、中程度の運動を勧め、理学療法士がそういうところに関わっていく」
横井 准教授はまた、こうした女性の生涯を通じて重要となる骨盤底筋機能の最新ケアについて説明した。
骨盤底筋トレーニングのコツ、エコー診断や尿失禁サポートデバイスの活用も
横井 准教授は、骨盤底筋をトレーニングするうえでまず、「骨盤底について 自分の身体で イメージできる」「ひとつずつ穴(尿道・腟・肛門)を意識する」「“締める” と “引き上げる” を分けて理解する」「運動感覚が乏しい場合は単発収縮から始める」の4つのコツをあげる。
「骨盤底筋群を締めたり緩めたりを1日100回行うことを推奨している。10秒締めて10秒開けるをトータル10分ぐらい。歯磨きしながらや、電車に乗りながらトレーニングできる」
また、女性泌尿器科を受診した女性に対して超音波診断装置(エコー)を使って骨盤底筋群が動いているかどうかをチェックしながらトレーニングしたり、尿失禁改善サポートデバイス「カリン」(株式会社ライフセンスグループジャパン)などを使ったセルフケアも推奨した。
―――千葉東金キャンパスに国際人文学部・観光学部・経営情報学部・メディア学部・薬学部・福祉総合学部・看護学部を、東京紀尾井町キャンパスに経営情報学部(グローバル経営情報コース)・メディア学部(映像芸術コース)を置く城西国際大学は、ことし4月に健康科学研究科(修士課程)を新設。保健・医療・福祉の総合的視野を持つ高度専門職業人を養成していくという。