武蔵国一ノ宮小野神社がふたつ?【駅ぶら】06京王電鉄 京王線160
※2023年7月撮影
トップ画像は「ろくせぶ公園」から京王線高架に戻る途中「聖蹟桜ヶ丘駅東自転車駐車場」の手前から。奥に京王電鉄本社ビルが見えます。
京王線の北側、京王電鉄本社の裏側、「あいおいニッセイ同和損害保険桜ケ丘事務センター」の前を西に歩いています。左奥には「京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター/せいせきB館」。背が高いのでランドマークになります。
※2023年7月撮影
ここを歩いていて歩道に可愛いイラストが幾つか並んでいることに気がつきました。全部を撮影できたか自信はありませんが、撮ったものを列べてみました。昆虫と野鳥です。ネットで調べましたが、誰が列べたのか不明です。たぶん多摩市だと思うのですが・・・。
※2023年7月撮影
「京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター/せいせきB館」の角に来ました。奥にB館とC館をつなぐ連絡通路が見えます。
※2023年7月撮影
ここから「宮下通り」を歩きます。
※2023年7月撮影
先ほどの交差点から150mほどで「一ノ宮町名由来板」があります。
※2023年7月撮影
それよりも後ろにある彫刻家伊佐周さん製作のモニュメントが目を惹きます。
※2023年7月撮影
「町名由来碑」左には「一ノ宮渡し想像之頭」があります。右は「明治22年頃の字名と現在の一ノ宮」
※2023年7月撮影
記載内容は以下です。
「「一ノ宮」の町名は、地内にある「武蔵国一ノ宮小野神社」に由来しています。小野神社が創設された年代は定かではありませんが、奈良時代、772(宝亀3)年の太政官府に小野社という名前が記されており、古くからあったことがうかがえ、武蔵国の大國霊神社(武蔵総社六所宮)の一ノ宮とされています。
一ノ宮の神輿は、近世後期以降、大國霊神社の祭礼「くらやみ祭り」に渡御参加しており、道路事情によりとりやめとなる昭和34年まで続いていました。
今も地域文化として「祭り」が景勝されています。このモニュメントは、このような由来にちなみ「祭り」をテーマとしています。 平成24年改定 多摩市」
・・・とモニュメントの説明もあります。
気になったのは【駅ぶら】京王線155で見た「小野宮」の地名由来碑にも「大國霊神社の一ノ宮」として府中市の「小野神社」が登場していたことです。
諸説ありますが、ネット上の情報などを筆者なりにまとめると、どうやらこの二つの「小野神社」は「延喜式神名帳」に記載されている「武蔵国多摩郡小野神社」の「論社(延喜式記載神社の後裔と推定される神社)として扱われる様です。古くからの多摩川氾濫などの水害で遷座が繰り返された結果2社になったと推定されています。
何と言っても「延喜式」は、延長5年(927年)にまとめられた「律令の施行細則」です。1000年以上昔の記載に合致する「確たる証」というモノがそもそも存在しえないので、理論的に延喜式内社は全て「論社」です。
「宮下通り」を挟んだ反対側に「神南せせらぎ通り」の石碑があります。
※2023年7月撮影
左に歩くと「町名由来板」に記載されていた「武蔵国一ノ宮小野神社」があります。この参道が「神南せせらぎ通り」の様です。
※2023年7月撮影
次回は「神南せせらぎ通り」を歩いて「武蔵国一ノ宮小野神社」に行きます。府中市の小野神社との関係が分かるかもしれません。
(写真・文/住田至朗)
※駅構内などは京王電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。
※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。
※参照資料
・『京王ハンドブック2022』(京王電鉄株式会社広報部/2022)
・京王グループホームページ「京王電鉄50年史」他
下記の2冊は主に古い写真など「時代の空気感」を参考にいたしました
・『京王電鉄昭和~平成の記録』(辻良樹/アルファベータブックス/2023)
・『京王線 井の頭線 街と駅の1世紀』(矢嶋秀一/アルファベータブックス/2016)