跨線橋からロマンスカーを狙う

代々木上原で下車したのは、撮り鉄スポットとして代々木八幡ー代々木上原間の跨線橋(歩道橋)が紹介されていたから。両駅間には2ヵ所の跨線橋がありますが、私は代々木上原に近い方に上がりました。

代々木上原は東京メトロ千代田線の起終点駅で、跨線橋からは小田急だけでなく地下にもぐる千代田線の列車も撮影できます。代々木上原にはメトロと小田急のほか、JR東日本の車両も顔を出します。

代々木上原から終着・新宿に向かうGSE(70000形)をスローシャッターで撮影。2018年デビューの最新型です。歩道橋の手すりはボードでおおわれ、撮影はボードのすき間から。通路は幅2メートルほど、通行の妨害にならないよう配慮する必要があります(筆者撮影)

千代田線乗り入れ車は、小田急は綾瀬まで、JRは代々木上原まで、3社を直通運転するのは東京メトロの車両という境界線が長く存在しましたが、2016年からは小田急やJRの車両も3社を直通します。

仏典を収めた小堂が駅名(地名)の由来?

代々木上原での撮り鉄に続き、経堂に移動します。

由緒正しく思える駅名の由来は諸説あり、はっきりとはしていないようですが、仏典を収めた小堂があったという伝承を由来とする説があります。江戸時代初期には、すでに小堂はなかったそうですが、17世紀後半の烏山用水の工事中に教典を納めた石棺が発見され、地名の由来になりました。

現在の経堂駅は、世田谷区の中核駅の一つ。2面5線の少々特殊な線路配置です。経堂は代々木上原ー登戸間の複々線区間にあり、小田原方面の下り線が一般的な1面2線なのに対し、新宿方面の上り線は1面3線。中線を通過線として、特急ロマンスカーなどが定時性を確保しやすい構造です。

経堂には、かつて小田急の経堂工場と経堂検車区がありました。駅に隣接した小田急グループの商業施設を再開発したのが、ショッピングモール「経堂コルティ」です。

撮り鉄スポットが、コルティ最上階4階のテラス。小田原方向から経堂駅に入る列車を斜め上から撮影できます。テラスにはイスとテーブルが置かれ、読書やパソコン作業の方(電源はありませんが)を見掛けました。

経堂コルティのテラスでカメラを構えていたら、偶然やってきたのがVSE(50000形)。2005年に登場した人気車両でしたが、2022年3月に定期運行を終了。イベント列車を経て、2023年12月ごろまでに引退の予定です(筆者撮影)
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