子どもたちを乗せて走る8900形ミニ電車

10月14日の「鉄道の日」。前週に当たる2023年10月7~9日の3連休には、各地で鉄道イベントが開かれた。千葉県の準大手・新京成電鉄が7日、松戸、鎌ヶ谷の両市にまたがるくぬぎ山車両基地で開催したファン感謝イベント「新京成サンクスフェスタ2023inくぬぎ山」には、約6200人が来場、思い思いに鉄道を楽しんだ

2019年以来4年ぶりに、入場制限なしで開催。鉄道イベントへの来場者は、大きくはコアなファンと電車大好きの子どもたちに分けられるが、新京成はファミリーを主要ターゲットに設定。ファンに人気の鉄道部品販売を見送った代わり、缶バッジ工作、車内放送体験、モーターカー乗車など親子で楽しめる催しを備えた。

一番人気の全車種ラインナップ撮影会に勢ぞろいしたのは、80000形、N800形、8800形、8900形。このうち1993年にデビューした8900形は今年が30周年で、新京成は記念乗車券を発売。フェスタでは会場限定の台紙付きで売り出し、用意した200部は早々に売り切れた。

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社外から友情出展したのが、千葉県習志野市にキャンパスを置く日本大学生産工学部。日本鉄道賞の選考委員も務める綱島均教授の研究室が開発した運転シミュレーターは、①事故・故障の再現が可能、②さまざまな車種が表現できるーーといった特徴を持つ。

別会場では、8900形のミニ電車を運転。子どもたちの乗せたミニ電車が、一周20メートルほどの円形レールを快走した。

新京成グループでは、バスも話題豊富。1949年に新京成自動車部として営業運転を始めた新京成バスは2003年に鉄道から分社化。2023年に20周年を迎えた(現在は船橋新京成バス、松戸新京成バスの2社体制)。

節目の年をアピールするレトロバスが、創業時の塗装を復刻した通称「タクアンバス」。基調色は愛称名そのものの黄色で、特別塗装車は鎌ヶ谷地区を路線バスとして走る。2023年10月9日は、「スポーツの日」イベントが開かれた船橋アリーナでお披露目され、約500人のバスファンが訪れた。

カラーはまさに〝沢庵〟。社名も「新京成電鉄バス」とフルネームで表記された「タクアンバス」

記事:上里夏生

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