ハワイ オアフ島 の新しい鉄道「 スカイライン 」【乗車レポート2】 2023年夏開業、車内の様子や前面の展望を紹介 ( Hawaii )
2023年夏に開業したハワイの新鉄道「スカイライン」の乗車体験レポート、第2弾の記事となります。
【前回記事】:ハワイ オアフ島 に2023年夏に開業した新しい鉄道「 スカイライン 」 Skyline に乗ってきたよ【レポート1】 観光客にもおすすめ! ( Hawaii )
この新しい鉄道路線であるスカイラインは、全区間が高架の上に敷設されているので、非常に列車の車窓から見る景色が良く、日本からオアフ島に観光に行く方々にとっても、ハワイの景色を楽しめる新しい乗り物になると思います。前回はスカイラインの概要や列車への乗り方などをレポートしましたが、今回は、いよいよ西側の起点駅になる「1.クアラカイ(東カポレイ)駅」からの乗車体験をお伝えします。(駅の前の番号は、スカイライン西側の起点駅から順番に振られている駅番号です。わかりやすいので併記をしておきます)
<スカイライン車内の第1印象>
車内に乗り込んで前の方を見ると、自動運転の鉄道ならではの光景として、運転席が無く車両前面に大きな窓があるのが分かります。
雄大な景色を見るのに適した、大きな窓に、一つだけの特等席があります
自動運転システムはでの列車運行は、日本では新交通システムといわれる東京のゆりかもめや神戸のポートライナー、大阪のニュートラムなど複数の路線で既に導入されていますが、アメリカではこのハワイ・オアフ島でのスカイラインで初めて導入されることとなります。前面に運転席が無いことで乗客が前面の景色を間近に感じられるため、鉄道旅好きや子供連れなど車両前面からの景色を堪能したい方にとっては前や後ろの車両がおすすめです。
<東カポレイを出発>
今回の、西から東側に移動すレポートでは、車両前面からの景色をメインにお伝えします。
最西端の駅になる1.クアラカイ(東カポレイ)駅を出発し、次の2.ケオネアイ(ハワイ大学ウェストオアフ)駅と、3.ホノウリウリ(ホオピリ)駅を過ぎるあたりまでは、未開発地や畑などが多いのどかな田園風景が続きます。
前面の窓に近づくと、高架の上に伸びる線路や、高架下の景色など眺めの良い展望が広がります。
この辺りもいずれは住宅地としての開発が進むかもしれませんが、もうしばらくはハワイの田舎らしいのどかな雰囲気を高架の上から楽しめるのではないでしょうか。
<車両内の設備など>
ここで車両内の様子を少し見てみましょう。車両1両の長さは約20m弱、幅が約3.0mで、1編成は4両で構成され、定員は約800人になります。車両内には手すりやつり革が多くの場所に設けられており、一部の座席の上部には荷物を置くための棚も設置されているのがわかります。
車両と車両をつなぐ接続部分は、広い開口部になっているので、車両間の行き来もスムーズに行えます。
車いす用のスペースにもなるように、はね上げて収納可能なシートが設置されている場所が多く設けられています。車両と車両をつなぐ接続部分は、広い開口部になっているので、車両間の行き来もスムーズに行えます。
車両内にはいくつか、自転車を置くためのスペースも設置されています。日本では自転車持ち込みが禁止されている路線が多いのであまり見かけることは有りませんが、国や路線により自転車での移動が多いところでは、目にすることがある光景です。
ハワイのローカルの人の中には自転車で移動をしている人も多いので、このようなスペースが必要なのでしょう。
<列車さらに東へ! その前に今回開業の路線を再確認>
2023年8月に開業をしたスカイラインの路線図をもう一度見ておきます。
今回開業したのが、全体計画の内の西側9駅、17.4 km(10.8マイル)の区間で、上図でピンク色の区間です。
青い丸の駅が「パーク&ライド(車の駐車場から駅で列車への乗り換え)」の設定駅ですが、今後は、西側の始発駅1.カウアラカイ駅と7.ワイアワ駅にも駐車場が整備される予定のようです。東側の端の駅である9.ハワラ(アロハスタジアム)駅や5.ポウハレ(ワイパフ トランジットセンター)駅などの青いバス印のある4つの駅には、既にバスターミナル(Bus Transit Center)があります。他にグレーのバス印の駅は、近くのバス路線と乗り換えが可能になる駅となりますので、3つの駅以外(6か所の駅)ではバスとの乗り換えが可能という事になります。また、上図の「kiss & Ride」という表記は、家族・知人などが送迎時に使える車寄せが完備されている駅ということになります。
運行時間に関してですが、多くの日本の鉄道路線とは異なり、このスカイラインの運行は夜遅くまでは行っていません。執筆時点での運行時間は午後7時までとなっていますので、利用をする時間にはご注意ください。( 平日:5:00am~7:00pm、土日/祝日:8:00am~7:00pm )※運行時間は変更になる場合がありますので、乗車前にスカイラインの公式情報にてご確認ください。
<家や建物が多くなってきます、 前面の車窓でレポートの続き>
さて、前面展望メインでの乗車レポートに戻ります。田園風景の広がる最初の区間を北東方面へ進んできましたが、4駅目のホオアエアエ(ウエストロック)駅の手前辺りになると、建物が多くなってきます。
高架下を交差する道路を走る車の数も多くなってきました。この同を炉越えると4.ホオアエアエ(ウエストロック)駅です
4.ホオアエアエ(ウエストロック)駅の前には、「ワイパフ・タウン・センター」や「セイバーズ」、「ドン・キホーテ」といったショッピングスポットがそろっています。この駅の周辺「ワイパフ」という地域には、かつて日本から移住をした方の子孫が多く住んでいて日系コミュニティーが形成されていたという場所になります。今でも、日本食レストランや日系スーパーなどがいくつかあります。ここは駅前に賑わいもあるので、駅を降りてどこかに立ち寄ることもできるという場所でしょう。
西側端から5駅目となるポウハレ(ワイパフトランジットセンター)駅には、バスのターミナルが設置されています。ホノルルやワイキキ方面を含め、様々な方向へ発着するバスの拠点として利用されています。ここからザ・バスに乗り換えれば、「ワイケレプレミアムアウトレット」にも行くことができます。
<レインボーカラーのスカイライン車両が並ぶ場所が!>
5.ポウハレ(ワイパフトランジットセンター)駅を過ぎると、のどかな住宅街を抜け、しばらくすると線路が右にゆるやかに曲がっていきます。緩やかなカーブに差し掛かった地点で右手を見ると、フットボール場の先には複数の線路とスカイラインの車両が見えてきます。
実はここは、スカイラインの車両基地「Skyline Rail Operations Center」の敷地です。このあたりを通る際には線路の内側(海側/南側)見ると、車両が並んでいる様子を見ることができるかもしれません。
車両基地を過ぎると次は、6.ハラウラニ(リーワード・コミュニティカレッジ)駅に到着ます。この駅がスカイライン車両基地の最寄り駅という事になります。その後も、ハワイの景色を高架の上から眺めながら列車は進みます。
<いよいよ往路もあと少し、パールセンター付近へ>
6つめの駅、ハラウラニ(リーワード・コミュニティカレッジ)駅を出て少し進むと、白基調のツインタワーの建物が近づいてきます。高速道路でノース方面やカポレイ・コオリナ方面に行く際には、パールシティ付近の高速道路からすぐ近くに見える高い建物なので、このツインタワーを記憶している方も多いのではないでしょうか。このツインタワーの横に見えているのが、7.ワイアワ(パールハイランズ)駅になります。
<7番目の駅に到着、残す駅もあと2駅>
このパールハイランドセンターという中規模ショッピングモールがあり、会員制の大型スーパーであるサムズクラブ(Sam’s Club)があります。(ウォルマート系列で、コストコのような大型スーパーです。会員制ですが、サービスカウンターでワンデーパスを発行してもらえば、旅行客でも利用は可能です)
相対式ホームのなっている7.ワイアワ(パールハイランズ)駅のホーム上には、白い屋根が設置されています。自転車と一緒に列車から降りた人の姿が確認できます。いよいよ開業区間も残り2駅です。
今回開業したのが9つの駅なので、残すところあと2駅というところまで進んできています。
7.ワイアワ(パールハイランズ)駅から、次の 8.カラウアオ(パールリッジ)駅までの間は、様々な低層ビルなどの間を通る一般道路の上に鉄道の高架が設置されています。日本の都市など、建物が多い場所で見られる交通システムの風景に似ていますね。
8番目の駅となる 8.カラウアオ(パールリッジ)駅の近くには、ハワイの地元の人にはお馴染みの大型ショッピングセンター「パルリッジセンター」があり、その他にもレストランなどが多くあるエリアになります。パールリッジセンターは、駅から800m位・徒歩で10分くらいの場所になりますので、地元の人たちが多く集まるローカルなショッピングセンターの雰囲気を楽しみたい方は、この駅で下車して立ち寄ってみるのも良いかと思います。さあ、いよいよ今回の開業区間の終点駅までは、あと1駅です。
8.カラウアオ(パールリッジ)駅を出て間もなく、前面に続く線路の先に、緑の大きな建物、アロハスタジアムの全景が小さく見えはじめました。残り1駅というところですが、今回のレポートはここまでにします。
次回は、開業区間の終点(東側の起点)となる「アロハスタジアム駅」への到着の様子と、そこからの折り返して逆方面に向かう復路の様子を、列車の横の窓から見えるハワイの景色を中心にお届けします。今回の西端からの往路レポートでは前面の窓から見える景色を中心にお伝えしましたが、実は列車の横からの車窓では、海が見えたり、アメリカ軍の戦艦が見えたりというハワイらしい美しい景色が垣間見えます。
次回は、そのような車窓からのハワイの眺めなどを、復路となるアロハスタジアム → 東カポレイの旅路として紹介してきます。
(写真・記事:鎌田啓吾 /鉄道チャンネル)
【続きの記事】レポート3 :ハワイの鉄道で車窓を楽しむ新しい旅【乗車レポート3】 オアフ島の新鉄道「スカイライン」 アロハスタジアム~の景色 ( Hawaii )
【前回の記事】レポート1 :ハワイ オアフ島 に2023年夏に開業した新しい鉄道「 スカイライン 」 Skyline に乗ってきたよ【レポート1】 観光客にもおすすめ! ( Hawaii )
【関連リンク】