いよいよ、2024年・春の運賃改定の時期が近づいてきました。
今回は、2024年3月16日、もしくは4月1日より運賃改定をする路線をまとめてご紹介します。

いすみ鉄道 総元駅  キハ20 (写真:MediaFOTO / PIXTA)

全国の運賃改定のまとめ2024年3月版

特記事項が無い鉄道路線に関しては、3月16日から運賃改定になります。

<北海道>
・JR北海道・・新幹線特急乗継割引が廃止されます。

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<東北・関東・中部>
・JR東日本・・新幹線特急乗継割引の廃止。一部特急列車の料金改定。首都圏の普通列車グリーン車の料金体系変更。
・京成電鉄・・3/16よりバリアフリー料金導入(成田空港線と通学定期は値上げ無し)
・東京モノレール
・舞浜リゾートライン
・流鉄(2024/4/1より運賃改定)
・いすみ鉄道(2024/4/1より通学定期運賃を平均46.6%値下げ
・芝山鉄道
・伊豆箱根鉄道(大雄山線)

・JR東海・・新幹線特急乗継割引廃止、2024/4/1より名古屋エリアでバリアフリー料金導入
・名古屋鉄道
・豊橋鉄道
・遠州鉄道(2024/4/1より運賃改定)
・黒部峡谷鉄道(2024/4/1より運賃改定)
・えちぜん鉄道
・福井鉄道

<近畿・中国>
・JR西日本・・新幹線特急乗継割引廃止
・水間鉄道(2024/4/1より運賃改定)

<四国・九州>
・JR九州・・・博多~佐賀の特急列車内で発売する自由席特急料金の改定
・智頭急行・・・特急料金の改定

上記の大多数の鉄道路線は、値上げとなります。
定期券などは運賃改定の前日までは、運賃改定前の料金で購入できる鉄道会社が多いため、購入のタイミングを探ってみてください。

沿線の学生利用を促す「いすみ鉄道」の通学定期の大幅値下げ

そんな中注目なのは、千葉県の「いすみ鉄道」です。

(写真:いすみ鉄道 Webページより)

いすみ鉄道は大原駅~上総中野駅の営業運行を開始し36年(国鉄木原線の時代も含めると90 年)になるローカル鉄道路線ですが、沿線人口の減少や少子化の進展もあり通学定期乗車人員が、1988 年度(昭和63年度)の79万人から令和4年度の12万8千人(1988年度の約16%)と大きく減少しているといいます。

そんな中、「より多くの学生にいすみ鉄道を通学で利用していただき、通学時間を利用した友との語らい、列車内での学習、沿線の自然の大切さの学び等、社会人として巣立つまでの大切な思い出の一つにいすみ鉄道を加えてほしい、子どもたちの未来を応援する鉄道でありたい、そんな想いから、今回の通学定期値下げを決定いたしました。」として、4月1日から通学定期運賃の平均46.6%引き下げを予定しています。

この値下げは、沿線地域の子育て世代・通学のためにいすみ鉄道を利用する方や家族にとっては大変うれしい取り組みですね。”鉄道を使っての通学時間”というのは、やがて学生時代に友人と過ごした貴重な時間の一部として、学生たちの心に”かけがえのない記憶”として残ることでしょう。

少し前の2022年10月には、千葉県の北総鉄道が通学定期の大幅に値下げを行い、半年後には通学定期の利用者が3割増になったという事が話題になりました。
北総鉄道の沿線は、東京にほど近く東京圏に通う人が多い住宅集中エリアでの事例という事でしたが、今回は人口が少ないローカル路線エリアでの取り組みという事になります。そのため、すぐに定期利用者の大幅な増加につなげるのは難しいのかもしれませんが、ローカル鉄道の未来を担う子供達に、いかに沿線に残ってもらうのか、地域への愛着を生み出すのか という意味では、興味のもてる施策になっていると感じます。
長い目で、その結果を見守りましょう。

鎌田 啓吾
(鉄道チャンネル)

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