※2014年3月撮

トップ画像は、JR北海道苫小牧駅。午前9時過ぎ。

2014年3月、初めて青春18きっぷで北海道の鉄道旅をしていた時の写真。廃止予定の江差線木古内駅~江差駅間に乗った後、宗谷本線で稚内に行き、石北本線で網走~釧路、根室に足をのばしました。その後石勝線、やはり廃止された夕張支線で夕張に行って宿泊。3月22日は日高本線に乗って様似に行きました。出発駅の苫小牧です。

日高本線の乗り継ぎまで70分以上あったので、ようやく朝食!・・・と駅そばを探しましたが、ありません。ところが、この「駅カフェ」に駅そばがあったのです。その後閉店してしまったので、「駅カフェ」は現在しません。

※2014年3月撮

「大盛天ぷらそば」にアイスコーヒーが付いて500円は安かった。不思議な組み合わせですが「カフェ」なんです。

※2014年3月撮

10:18発日高本線様似行は、キハ40 357の日高本線カラーリング(優駿ロマンカラー)でした。苫小牧駅1番ホームから出発。この車両は、2021年3月に残念ですが営業運転を終了しています。

※2014年3月撮 オリジナルが4:3です

御存知の様に日高本線は、2015年(平成27年)1月8日に低気圧により発生した高波で厚賀駅~大狩部駅が被災、土砂流出で路盤が何カ所も崩落、鵡川駅~様似駅が不通になりました。さらに2016年の台風10号の被害もあって、JR北海道は復旧に86億円が必要と算出します。

結果的に日高本線は復旧されること無く2021年(令和3年)鵡川~様似間(約116km)が廃止されました。

2014年3月、筆者は、もう日高本線に乗ることができなくなることなど露知らず、暢気に様似駅を目指しました。これからその時撮った写真で日高本線をふり返ります。

鵡川駅。オウムという字が駅名になっているのは、珍しい。1913年(大正2年)駅が開業した時の駅所在地が鵡川村でした。2021年以降は、日高本線の終点になっています。

※2014年3月撮影

汐見駅、富川駅、日高門別駅、豊郷駅がありましたが、この時は、まさか日高本線の8割が廃止されるなどと夢想だにしていませんから、ボンヤリ通過してしまいました。

清畠駅。駅名標と左奥に駅舎も写っています。

お気づきかも知れませんが、コンデジのレンズに汚れが付いています。現場では全く気付かなかったので、写真右側に汚れでぼやけた部分が続きます。後から気付いて、以降はレンズをチェックして汚れを拭き取る様になりましたが、後の祭です。

※2014年3月撮影

駅は、1924年(大正13年)開業。2015年1月の高波で、鵡川駅~様似駅間が運休したことで駅も休止。2021年廃駅になりました。

清畠駅を出ると右側車窓に太平洋が広がりました。日高本線は、波打ち際を走ります。こりゃ高波がきたらひとたまりもない、と今なら分かりますが、当時は波を見て喜んでいました。

※2014年3月撮影

大狩部駅の手前、波打ち際ギリギリを進みました。

※2014年3月撮影

翌2015年1月、筆者はニュースで高波に襲われた日高本線の鵡川~様似間が不通になった事を知ります。さらに2016年の台風でさらに被害を受けてJR北海道が復旧を断念という情報も伝わってきました。

筆者は、その後、青春18きっぷで全国のJR線を巡っていましたが、多くの駅の中で最も強烈な印象を受けた大狩部駅の現状が見たくなり、2019年(令和元年)6月大人の休日倶楽部パス北海道を使って北海道に渡り、苫小牧でレンタカーを借りて大狩部駅に来ました。

大狩部駅入口。右に「JR日高線列車代行バス 大狩部駅」のバス停があります。これが駅の出入口、やはり強烈です。

※2019年6月撮影

正にその時に鉄道代行バスが来ました。代行バスの停留所は、その後場所が変更され、廃止されました。

※2019年6月撮影

出入口のトンネルを出ると広場になっていてブロック造の待合室があります。

※2019年6月撮影

眼の前は太平洋。ホームは、少し下がった海側です。ホームから海の近い駅は、いくつもありますが、この近さは強烈です。

※2019年6月撮影

ホームに降りる階段と駅名標。待合室も見えます。2014年3月にかなり傷んでいた駅名標が新しくなっていました。

※2019年6月撮影

1958年(昭和33年)に駅は開業しました。2015年1月高波で列車運行休止。2021年4月駅は廃止。

多くの駅を見てきましたが、大狩部駅は、他の駅とは全く異なる印象です。駅名標と線路があるから駅と分かりますが。

※2019年6月撮影

苫小牧方面の線路を望遠レンズで写すと高波でひしゃげていました。凄まじい力が加わったのですね。

※2019年6月撮影

こちらは様似方面。やはり線路がひしゃげています。

※2019年6月撮影

2014年3月の大狩部駅前面展望。黄色くマーキングした辺りの線路が壊れました。

※2014年3月撮影

長くなるので続きは次回です。

(文・写真) 住田至朗

※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。

※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)『北海道 駅名の起源』(日本国有鉄道北海道総局/1973年)他を参照しています。

※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。