※2019年6月

トップ画像は、JR北海道札沼線、2020年(令和2年)に廃止された非電化区間の下徳富(しもとっぷ)駅。2025年(令和7年)には、駅舎と大きな松の木がなくなっています。ホームも撤去されて更地です。

駅名標。2015年(平成27年)3月は雪の中でした。

※2015年3月

2016年(平成28年)9月。

※2016年9月

下徳富駅は、1934年(昭和9年)開業。1943年(昭和18年)太平洋戦争激化、不要不急路線として石狩月形駅~石狩追分駅(1972年/昭和47年札沼線新十津川駅~石狩沼田駅間廃止によって駅も廃止されました)休止、下徳富駅も休止。

10年後の1953年(昭和28年)営業再開。個人的に、10年間も鉄道の無い生活を強いられたエリアで鉄道が営業再開しても使用する人がいなかったのではないかと思います。

2020年(令和2年)札沼線非電化区間廃止にともない駅も廃止。

駅名は、下徳富ですが駅所在地は、南下徳富駅と同じ新十津川町字花月。

駅舎のホーム側。

※2016年9月

松の巨木を避けて駅舎の駅名板が写る位置から。出入口より左側、有人駅時代の駅員作業部分がもったいないですね。

※2019年6月

駅舎出入口。駅名板の「下」がほとんど消えていました。

※2019年6月

駅舎内、有人駅時代の窓口は木板で塞がれていました。駅ノートがぶら下がっています。下徳富駅の魅力的なポスターがありました。JR北海道が作ったのでしょうか。

※2019年6月

待合室。壁に古い黒板と木製ベンチがあります。水のボトルは防火用水?

※2019年6月

駅舎内にあったポスターの写真と同じポジション。ホームに登り降りする階段。このエリアは、北海道有数の米作地帯です。

※2019年6月

ホームから駅舎。駅前に駐車している白い自動車は、筆者とは無関係です。レンタカーは、窓の向こうの青いクルマです。

※2019年6月

2015年3月の後方展望。

※2015年3月

2016年の前面展望。雪が無いと駅の石狩当別側で下り勾配になっていることが分かります。

※2016年9月

2015年3月。新十津川駅方面。左の大きなビルは空知中央病院。直線の終わりで左にカーブして新十津川駅に近づきます。感覚的には空知中央病院の左に新十津川駅があります。

※2015年3月

石狩当別駅を11:15に出た新十津川行は、1時間22分かかって新十津川駅着12:37でした。

駅名標。

※2015年3月 オリジナルが縦なので加工しました

下徳富が上書きされているのは、2006年(平成18年)に廃止された中徳富駅があったからです。

ややっこしいのは、新十津川駅が1931年(昭和6年)に開業した時は、中徳富駅だったのです。1943年(昭和18年)太平洋戦争激化で石狩月形駅~石狩追分駅(廃止)間が休止。1953年(昭和28年)営業再開。その際に駅名が新十津川に改称されました。当時の駅所在地は、新十津川村。

1956年(昭和31年)二代目中徳富駅が開業(2006年廃止)。新十津川駅~北海道医療大学駅間が2020年(令和2年)5月廃止。新十津川駅も廃止されました。

現在、新十津川駅の跡地には「駅跡地さくら公園」が整備され、コンクリートのホームが造成されています。駅名標や時刻表もあります。残念なことに駅舎は、解体撤去されました。

駅舎のホーム側。この時はベンチがありません。

※2015年3月

駅舎正面。

※2015年3月

2016年9月、駅前広場から駅舎。

※2016年9月

2016年は、函館本線滝川駅からバスで新十津川町に来ました。筆者としては二度目の新十津川駅です。午前8時半。

同年3月のダイヤ改正で浦臼駅~新十津川駅間は、1日1往復になりました。鉄道ファンならずとも、この極端なダイヤから「遅かれ早かれ、この区間は廃線でしょ?」という風説が蔓延しました。

筆者も「廃止される前にもう一度乗りたい」と札沼線の非電化区間を目指して来ました。

しかし、意外なコトに函館本線滝川駅からバスで来てみると、人がいないのです。まぁ、列車到着は9時28分ですから、1時間近く時間があります。

もしかすると、函館本線滝川駅と新十津川駅がバスで15分程度だというコトが一般的に知られていなかったのかもしれません。

でも考えてみれば、新十津川駅に来るなら札沼線に乗ってきますよね。

駅舎正面。筆者一人です。誰もいません。

※2016年9月

駅舎内。正面がホーム側出入口。以前に紹介した始発=終電の時刻表があります。普通運賃、石狩当別までは、1,070円。ハデな荷物は筆者のです。

※2016年9月

駅といえば電波時計が一般的なので、待合室に柱時計は珍しいです。しかも、どなたかが定期的にネジを巻いているのでしょう。時刻は、8:30。あっていました。

※2016年9月

ホーム側出入口。左側に2015年には無かったベンチがあります。

※2016年9月

駅名標と名所案内。

※2016年9月

単式ホーム、石狩当別側端部から駅舎と終端部。右は馬(ポニー)の「のびのび牧場」があります。

※2016年9月

ご覧いただきたい写真がまだまだあるので、次回に続けます。

(文・写真) 住田至朗

※過去の写真はライター住田がプライベートで旅をした時のスナップ写真です。

※『JR路線大全 北陸・信越本線』(天夢人/2023)『国鉄の基礎知識』(創元社/2011)『停留場変遷大事典』(JTB/1998)『JR全駅・全車両基地』(週間朝日百科/60巻)『北海道 駅名の起源』(日本国有鉄道北海道総局/1973年)他を参照しています。

※鉄道、駅などは鉄道会社、利用者の皆様のおかげで撮影させていただいています。ありがとうございました。