叡山電車の新観光車両「舞」 洛北の四季をまとう雅な列車が2025年中にデビュー
叡山電鉄の開業100周年を記念し、新しい観光車両「展望列車『舞』」が登場します。
まるで着物をまとって旅をするような特別な時間を届けることをコンセプトとしており、内外装には京都洛北の伝統や四季が感じられるデザインがふんだんに盛り込まれています。題字は書道デザイナー・林真帆さんの揮毫によるものです。
花鳥風月を織り込んだ!こだわり抜いた内外装デザイン
外装は四季の移ろいを象徴する「花の丸文様」で、沿線で見られる桃や桜、あじさい、もみじといった花々が描かれています。加えて四季をイメージした色彩豊かな「瑞雲文様」、清らかな水の流れを思わせる「流水文様」を配し、沿線に四季の花々が咲き誇るような趣を表現しました。このデザインは、沿線に工場を構える川島織物セルコンが提供・監修しました。

内装は「着物」そのものから着想を得ています。座席は「帯」、握り棒は「簪(かんざし)」、つり手は「髪飾り」をモチーフにしており、乗車しているだけで心弾むような空間となっています。床やつり手には木調の素材を採用し、沿線の山々と調和する叡山電車の姿を表現したといいます。デザインはIFOOが担当しました。

ただの移動じゃない!充電もできる癒やし空間「MAI-SPOT」
車端部には、多目的に利用できるユーティリティスペース「MAI-SPOT(マイスポット)」が設けられます。このスペースでは、寄りかかってくつろいだり、スマートフォンを充電したりすることが可能。充電設備は3タイプに対応しています。
また、装飾の一部には京都・鞍馬山で産出される銘石「鞍馬石」が取り入れられており、洛北の物語との出会いを感じられる工夫が施されています。
デビュー前に、一足先に会おう
「舞」のデビューは2025年中の予定ですが、それに先駆けて車両を見ることができる機会が設けられます。2025年9月27日(土)に八瀬比叡山口駅で執り行われる「開業100周年記念式典」で、2両編成のうち1両(101号車)がお披露目。
式典終了後の12時~13時には、誰でも無料で見学できる時間が設けられる予定です。また、10月末に開催予定の「えいでんまつり」でのお披露目も予定されています。
展望列車「舞」概要
展望列車「舞」は、700系の724号車と721号車をリニューアルした2両1編成。車両形式も開業100周年を機に、100系(101号車・102号車)に変更となります。車両は主に鞍馬線の出町柳駅~鞍馬駅間で運行される予定です。
車内には車いす・ベビーカースペースが設置されるほか、行先表示器は日本語、英語、韓国語、中国語の4か国語に対応するなど、多様な利用者に配慮した設計となっています。車内照明などにはLEDを採用し、省エネ化・CO2削減にも貢献します。
叡山電車の開業100周年という節目に登場する、華やかな新車両「舞」。ただ乗るだけでなく、京都の文化や四季の美しさを五感で感じられる特別な列車となりそうです。まずは秋のお披露目に足を運んで、その美しい姿を一足先に確かめてみてはいかがでしょうか。
(画像:叡山電鉄)
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