箱根登山電車、14年ぶりの新型車両「4000形」2028年導入へ 引退する100形の後継、初の「流面形」デザイン

小田急箱根は23日、箱根登山電車の新型車両「4000形」を2028年度に導入すると発表した。新造車両の導入は、2014年の3000形(アレグラ号)以来、実に14年ぶりとなります。
引退する「100形」の魂を継ぐ
今回導入される4000形は、先日引退が発表された「100形」の後継車両と位置づけられています。開発コンセプトは「心躍る時間(とき)を提供する」。
外観は、箱根登山電車として初めてとなる、丸みを帯びた「流面形」の前面形状を採用。次の100年を担うスタイリッシュさと、どこか親しみやすい柔らかさを兼ね備えたデザインとなりました。
カラーリングは、スイスの姉妹鉄道「レーティッシュ鉄道」のイメージである赤を基調に、同社オリジナルの「バーミリオンはこね」を採用。シルバーラインは、箱根周遊の「循環」を表現しているといいます。
【参考】
さらば古豪よ……小田急箱根「100形電車」が2028年1月末運行終了(神奈川県箱根町)
https://tetsudo-ch.com/13013029.html
景色を楽しむための「座席の角度」
内装の最大の特徴は、3000形と同等の大型窓に加え、一部の座席で「窓側に向けて角度を付けた配置」を採用したことです。これにより、急勾配を登りながら四季折々の自然をよりダイナミックに楽しめるようになります。 また、車内デザインには箱根の伝統工芸「寄木細工」の意匠を取り入れ、観光地ならではの非日常感を演出します。

先頭車両は前方の景観を楽しむ展望車、中間車両は大きいロングシート席などくつろぎや交流の空間とします。ボックスシートは片側座席を1列として座席幅と通路幅を拡大し、ゆったりとした室内空間を実現すると同時に、より多くの乗客が快適に利用できるよう配慮するといいます。
バリアフリースペースも両先頭車に確保し、大型の手荷物を収納できる「ラゲッジスペース」を初めて導入。誰もが快適に利用できる車両を目指しています。

箱根登山電車新型車両「4000形」概要
・導入予定時期 2028年度
・車両形式 4000形
・編成 3両固定編成
・開発コンセプト 「心躍る時間(とき)を提供する」
「2024年4月に新発足した当社の経営理念『箱根に関わるすべての「ひと」を大切に「心躍る時間(とき)」を創造し、未来へつないでいきます。』を体現し、来遊される国内外のゲストが世界に誇る箱根の雄大な自然を感じながら、ゆとりある旅を楽しめる車両を目指します」(小田急箱根)
環境面では100形と比較して電力消費を約45%削減するなど、「エコな登山電車」の側面も。2028年度のデビューが待ち遠しいですね。
(画像:小田急箱根)
鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)
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