大阪・関西万博ロスの皆さまに贈る鉄分多目の万博三題噺(ばなし)(大阪市此花区)

大阪・関西万博は2025年10月13日、184日間の会期を終えて閉幕した。開幕当初は一部否定的見方もあったものの、徐々に盛り上がりをみせ最終的に一般来場者は累計2500万人を超えた。
閉幕とともに聞かれるようになった「万博ロス」なる言葉。最終日の会場では、「今日で終わりか、寂しいな」の声が数多く聞かれた。
万博ラストに発信された〝鉄分多目〟のニュースを集めてみれば……。
夢洲駅乗降客は4000万人(大阪メトロ)
大阪・関西万博の玄関駅といえば、もちろんOsaka Metro(大阪メトロ)中央線夢洲(ゆめしま)駅だ。中央線に登場した大阪メトロの新鋭車両が宇宙船ライクな400系電車。鉄道ファンには、万博公式キャラの「ミャクミャク」よりも400系に会う(乗る)のが楽しみな人がいたとかいなかったとか。
4月13日~10月13日の会期中、大阪メトロをどれくらいの人が利用したのか? 地下鉄と新交通システム・ニュートラム合わせて134駅の乗降客は4億6500万人(速報値)で、前年同期に比べ15%増えた。
夢洲駅の乗降客は4000万人で、1日平均で21万7000人だった。夢洲駅利用客には主催者の日本国際博覧協会関係者や会場で働く人、ボランティアもいるため一概にはいえないものの、メトロ中央線と夢洲駅が最もポピュラーなアクセス手段だったことは間違いなさそうだ。
旅立ちの祭典でフィナーレ飾る(JR西日本)

最終日の会場を盛り上げたのがJR西日本。EXPOアリーナのMatsuri(まつり)では、ファイナルイベント「JR西日本グループプレゼンツ・ありがとうと旅立ちの祭典~サンキュー・フォー・オール~」が開かれた。祭典はJR西日本と博覧会協会が共催、大阪メトロ)が特別協賛した。
プログラムは3部構成。始まりは世界で人気の日本酒をキーワードに、多彩な日本の魅力をアピール。第2部のライブには、万博の公式テーマソング「この地球(ほし)の続きを」を歌った人気デュオのコブクロも登場した。
第3部で会場を盛り上げたのが、京都鉄道博物館からお出まし願った「旅立ちの鐘」。JR社員が打ち鳴らして、新しい旅の始まりを告げた。
会場で沿線PRの中学生に感謝状(関鉄)
万博への鉄道会社の直接の出展はなかったが、間接的に情報発信した鉄道はある。
その一つが茨城県の関東鉄道。沿線の中学生が、課外活動で企画した特別列車の取り組みを万博会場で発表。発表した中学生は参加6校から最優秀賞のグランプリに選ばれた。

グランプリに輝いたのは、守谷市の小中高一貫校・開智望(かいちのぞみ)中等教育学校の課外授業グループ・開智望にっぽんの宝物チーム。チームは2025年5月、地域の子どもたちを乗せた貸切特別列車「のぞみこども列車」を関鉄常総線に走らせた。
運転区間は水海道~騰波ノ江。目的地の騰波ノ江には駅舎を兼ねる「とばのえステーションギャラリー」があって、常総線の歴史資料を展示する。
開智望にっぽんの宝物チームは、万博会場のWASSE(ワッセ)パビリオンでの「にっぽんの宝物ジュニアグランプリ」で常総線沿線の魅力や特別列車円転の経験を発表してグランプリ賞を受賞。関鉄はチームメンバーに感謝状を贈った。

記事:上里夏生
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