JR大宮駅からニューシャトルで1駅、さいたま市にある「鉄道博物館」は、大人も子どもも見て・学んで・楽しめる人気スポットです。さまざまな展示や体験スポットがあり、なかには抽選アプリを利用しなければ体験できないプログラムも。この記事では、鉄道博物館へ行く前に確認しておきたいことや、職員がおすすめする「ここは行っておきたい」スポット、オリジナルのお土産などを紹介します。

【参考記事】「鉄道博物館」ってどんなところ? アクセス情報・見どころ・充実のランチやおすすめ休憩スポットも詳しく解説(埼玉県さいたま市)  https://tetsudo-ch.com/13016349.html

鉄道博物館に向かう前にすべきことは?

てっぱく抽選アプリ公式サイトより

体験プログラムを事前に確認
鉄道博物館には、さまざまな展示に加え、体験プログラムも豊富です。予約不要で当日気軽に参加できるプログラムもありますが「てっぱく抽選アプリ」で当選しないと参加できないもの、先着順のものもあるため、事前に確認しておきましょう。
また、「鉄道ジオラマ」や「てっぱくシアター」など、開催時間が決まっているコンテンツもあります。確実に参加したいコンテンツはどのタイミングで行くか、シミュレーションしておきましょう。

てっぱく抽選アプリをDL しておこう!
体験プログラムに参加したい人は、事前にてっぱく抽選アプリをインストールしておくと、スムーズに抽選ができます。鉄道博物館では、本館1階エントランス・D51シミュレータ・ミニ運転列車周辺・本館3階新幹線ラウンジ・南館全域で無料無線LAN(Wi-Fi)を利用できますが、メールアドレスか、SNSのアカウント情報を登録する必要があります。アプリがダウンロード済みであれば、スムーズに抽選に参加できます。

入館券は事前購入がおトク!
入館券は当日、券売機で購入することが可能ですが、よりスムーズに入館するために、事前の購入がおすすめです。オンライン入館券、もしくはコンビニエンスストア(セブンイレブン・ローソン・ミニストップ)店舗で購入でき、前日までであれば、入館券が100円安くなります。

体験プログラムへ確実に参加するなら「体験予約付き入館券」を購入!
「ミニ運転列車」「E5シミュレータ」「D51シミュレータ」「車掌シミュレータ」「運転士体験教室」を確実に体験したい人は、事前にセブンチケットで購入できる「体験予約付き入館券」の利用がおすすめです。当日抽選で参加する際と比べて、体験料金がやや高く設定されています(通常600円のところ1,000円+入館券料金)が、選択した時間帯に必ず体験できるため、館内見学の計画が立てやすくなることもメリットです。

鉄道博物館おすすめのスポットは?

鉄道博物館内にはさまざまな展示や体験プログラムがありますが、どこを見たらいいの? 館内の職員が「ここは見てほしい」「体験してほしい」と考えているスポットを教えてもらいました。

本館1階・2階:車両ステーション

車両ステーション

鉄道博物館と言えばココ! 実物車両がずらりと展示されている、館内最大の展示室です。新橋~横浜間の鉄道開業時にイギリスから輸入された蒸気機関車のうちの1両とされる「1号機関車」をはじめ、36の貴重な車両が展示されています。

国指定重要文化財で鉄道記念物に指定されている「1号機関車」

車両ステーションには、蒸気機関車から寝台客車、新幹線など、バラエティ豊かな車両が配置されています。

ブルートレインで使われた客車「ナハネフ22形寝台客車」は車内空間を確保するため車両寸法の限界まで車体を広げています。そのため、屋根は丸みを帯びたフォルムに
「ナハネフ22形寝台客車」は寝台の様子も見ることができます
東北・上越新幹線で活躍していた「200系新幹線電車」。寒冷・豪雪地帯を走行できるよう、正面には雪を左右に飛ばせる「スノープラウ(大きな雪かき器)」、サイドには室内換気およびモーターの冷却に用いる外気に雪が混じらないよう「雪切室」が備わっています
初代新幹線電車「0系」。「団子鼻」と言われる丸みを帯びたデザインで、どこか愛嬌のある顔立ちです。開業当初の最高時速は210キロメートル

転車台回転・汽笛吹鳴の実演を見学しよう
車両ステーション中心部では毎日、C57形蒸気機関車の転車台回転・汽笛吹鳴実演が行われていますが、ボランティアガイドの方(後述)が、転車台回転・汽笛吹鳴実演を見学する際のベスト観賞スポットをこっそり教えてくれました。それは、転車台の向かいに配置されている車両「クモハ40形電車」の車内! 運よく空いていましたので、筆者も車内から観賞してみることに。座って車窓から見学することができるうえ、ベストアングルで、まさしく特等席でした!

関東・関西地区の通勤路線などで活躍した「クモハ40」車内。車体の基礎的な部分は鋼材を使用していますが、内装は木が使われており、どこか懐かしく、あたたかみのある雰囲気
車窓から撮影したC57形蒸気機関車転車台回転実演

【参考】鉄道博物館が来館1,500万人を達成! 記念セレモニーでは7歳の来場者が機関士役となりC57形式蒸気機関車の汽笛を吹鳴
https://tetsudo-ch.com/13012644.html

本館2階:鉄道ジオラマ

鉄道ジオラマ

横幅が約23メートル、奥行きが約10メートル、25メートルプールとほぼ同じサイズの大きな鉄道ジオラマです。線路の総延長は約1,200メートル! 総数約1,700両からセレクトしたというHOゲージ(新幹線1/87、在来線1/80サイズ)の模型車両が走る姿は圧巻です。
解説員のアナウンスを聴きながら、模型車両を運転する「鉄道の1日」や「貨物列車の世界」といった、約15分の「解説プログラム」も楽しめます。

本館2階・3階:科学ステーション

科学ステーション

「鉄道の科学」をテーマとした、鉄道に隠された不思議を発見し、科学の視線で探求することで鉄道のしくみを理解できる「実験型ミュージアム」です。展示装置を実際に動かし、体感することでさまざまな鉄道の基礎知識を理解し、発見し、楽しみながら学べます。

南館3階:歴史ステーション

歴史ステーション

歴史のなかにタイムスリップし、時代が求めた鉄道の姿やそれを支えた人々の熱意を解き明かす「発見型ミュージアム」です。日本に鉄道が誕生したのは1872年(明治5年)のこと。開業から約150年の歴史をもつ日本の鉄道の歴史を大きく6つの時代に区分し、時代ごとに鉄道に寄せられた期待とそれに応えた技術者の熱意、その結果の技術の進化を一望できます。

南館2階:E5シミュレータ

E5シミュレータ

東北・北海道新幹線で活躍中のE5系「はやぶさ」。南館1階にはモックアップが展示されていますが、シミュレータでは時速320キロで運転の高速運転を体験できます。実物大の運転席の前に実写映像を投影されるため、臨場感あふれる運転を疑似体験できます。
※対象年齢小学生以上、てっぱく抽選アプリによる抽選で利用可能。有料(600円)

屋外ミニ運転パーク:ミニ運転列車

ミニ運転列車(E235系山手線)

信号や速度制限を守りながら、1周約300メートルのコースをミニ車両で運転できる体験プログラムです。「ATS-P(自動列車停止装置)」「ATC(自動列車制御装置)」といった実際の鉄道と同じ2種類の信号保安システムを使用して運行している本格派。運転を自ら体験することで、実際の鉄道がどのようにして安全を守り、規則正しく運行しているかを楽しく理解できます。
※運転は小学生以上、てっぱく抽選アプリによる抽選で利用可能。有料(600円)

ボランティアガイドツアーを利用しよう!

ボランティアカウンターとボランティアガイドのみなさん

「どこを見たらいいのか分からない」「車両の特徴を教えてほしい」そんなときは、ボランティアカウンターへ足を運びましょう。事前予約は不要。無料で約1時間、見どころやおすすめポイントを案内してもらえます。10:15と13:00の1日2回ボランティアガイドツアーを実施しているほか、10:00~15:00の間でカウンターにスタッフがいれば、案内をしてもらえます。内容や案内時間については、対応可能な範囲で要望に合わせてもらえるとのこと。まずはスタッフに相談してみましょう。

ミュージアムショップ TRAINIART

エントランスからすぐの場所にある「ミュージアムショップTRAINIART」

「ミュージアムショップTRAINIART(トレニアート)」では、鉄道博物館オリジナルグッズやお土産を購入できます。ここでしか買えない商品も多数取り揃えているため、店内は常に賑わっています。

ミュージアムショップ内には吊り革を使った装飾が!

数ある商品のなかでも「マストバイ」はどれ? スタッフにおすすめの商品を4点選んでもらいました。

鉄道博物館限定 クハ481-26鉄道博物館展示車両

鉄道博物館限定 クハ481-26鉄道博物館展示車両(税込3,943円・鉄道博物館商品化許諾済)

鉄道博物館に展示されている車両のひとつ「クハ481形電車」の、ヘッドマークが特急「ひばり」バージョンとなっているNゲージです。

実際に展示されている、1965年製造のクハ481。9号車の札など細部にいたるまで、展示車両をリアルに再現しています

鉄道博物館の展示状態を再現したもので、鉄道博物館ロゴが入ったパッケージ入りで販売されています。展示車両のように、ヘッドライトが点灯するという本格派です。

鉄道博物館限定 C57測量野帳

鉄道博物館限定 C57 測量野帳(税込690円・JR東日本商品化許諾済・鉄道博物館商品化許諾済)

測量士が使用するために作られた、手帳サイズの方眼スケッチブック。表紙にはC57形蒸気機関車が箔押しされています。シックなデザインでとても使いやすそうですが、使ってしまうのがもったいないというジレンマ……。

鉄道博物館限定 鉄下103系快速てっぱく

鉄道博物館店限定 鉄下 103系 快速てっぱく(税込550円・JR東日本商品化許諾済・鉄道博物館商品化許諾済)
小さな子どもが安心して遊べるゾーン「キッズプラザ」に設置された103系電車

本館1階「キッズプラザ」には103系電車が展示されていますが、こちらはリニューアル時に一般公募をおこない採用されたデザインです。五色の水玉模様で、国鉄時代の「中央線(オレンジ)」「京浜東北線(水色)」「総武線(黄色)」「山手線(うぐいす色・黄緑色)」「常磐線(青緑色)」を表現しており、103系をイメージした靴下にも、五色の水玉がデザインされています。ただし、キッズサイズ16~20cmのみの展開となります。サイズが合えばラッキー! お土産にもぴったりですね。

鉄道博物館限定 鉄博印

鉄道博物館限定 鉄博印(税込300円 ※写真は令和7年版)

鉄道系ミュージアムの連携デザイン
なかでも一押しは「鉄博印」! 鉄博印は、鉄道博物館とリニア・鉄道館、京都鉄道博物館の3つの鉄道系ミュージアムが連携して2025年1月に誕生した、新たな来館記念品です。2025年11月現在では、当初の3館に加えて「ロマンスカーミュージアム」も連携に加わり、各館でオリジナルの絵柄の鉄博印が販売されています。
図柄には御朱印ならぬ鉄博印のほか、JR系鉄道博物館の印(JR系の館のみ)や鉄道系ミュージアムの共通ロゴ(全ての館の絵柄で共通)が描かれているほか、鉄道博物館の絵柄には来館記念スタンプが押印できるようになっていて、「TRAINIART」を出てすぐのところにあるスタンプ台で押せば鉄博印が完成するようになっています!

ということで、筆者も早速購入することに。来館日の入ったスタンプを押せば、見返す度に来館の思い出がよみがえりそう。記念になりますね。

細部までこだわったデザインが人気!

取材時には「鉄博印」をデザインした鉄道博物館営業部の細川海里さんにお話をうかがうことができました。第1号となる2025年版は、館内の展示でも人気があるE5系「はやぶさ」モックアップが目を引くレイアウトに。中央の鉄博印は、御朱印のイメージを壊さないように配慮したデザインとし、印刷ではありますが、押印したときのかすれ具合や「鉄道博物館」の文字と重なったときの透け具合を再現。また、後から自分で押す来館記念スタンプは、枠に合わせてスタンプを押せばきれいに仕上がるように考えられているとのこと。細部までこだわって製作されています。

その甲斐があってか、発売以降売れ行きは好調。「鉄博印を買うために来た」と来館する人も多いと言います。来年は他の車両をデザインした「鉄博印」になるとのこと。思わずコレクションしたくなりそうです。「個人的には今後、時機をとらえて新しいデザインの鉄博印を出せたらいいなと目論んでいます」と細川さん。今後の発表に期待ですね!

足を運ぶ度に新たな発見がある「鉄道博物館」。この記事を参考に、おでかけの計画を立ててみてはいかがでしょうか。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成しています。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。
文・ロゴ入りの写真:斎藤若菜 その他写真:鉄道博物館
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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