2017年度の鉄道事業設備投資計画は対前年で110億円増の総額293億円――。京王電鉄は4月29日、鉄道事業設備投資計画を発表。京王線笹塚~仙川間連続立体交差事業、下北沢駅改良、ホーム安全対策の推進、踏切障害物検知装置の高精度化、耐震補強、自然災害対策、座席指定列車の運行開始に向けた新型車両等の導入、井の頭線折り返し運転設備の新設、駅やトイレのリニューアル、新宿駅の案内サインの統一、行先案内板のマルチカラー化、車両のリニューアル、車内液晶ディスプレイの2画面化、新型VVVFインバータ制御装置の導入、車上蓄電池システムの導入、照明の省エネルギー化などをすすめます。

笹塚~仙川間連続立体交差事業は、事業主体である東京都・世田谷区・渋谷区・杉並区とともに実施。「2017年度は、工事に必要な用地取得や設計業務をすすめます」と同社。この事業が完了すると笹塚~仙川間7.2kmが高架化され、25か所の踏切が解消されます。

また今年度は、新線新宿駅や渋谷駅へのホームドア整備に向けた工事に着手。新線新宿駅と渋谷駅は2018年度までの使用開始を目指します。これと並行し、京王八王子駅や井の頭線明大前駅、千歳烏山駅で転落防止固定柵の整備もすすめます。

新型5000系の先行導入や車両のリニューアルも

同社は、有料座席指定列車を2018年春に運行させるのにあわせ、2017年度にクロスシートとロングシートの両方に転換できる新型車両5000系や座席管理システムを導入。新型5000系は、2017年9月からロングシート固定で通常列車として営業運転に入れます。

また、井の頭線 明大前~永福町間に折り返し運転設備(上下線をつなぐ渡り線)を新設。従来、井の頭線の輸送障害時は永福町駅で折り返し運転を行っていましたが、京王線に接続できる明大前駅でも折り返し運転が可能となります。

さらに、京王線8000系と井の頭線1000系のリニューアルを引き続き実施。2017年度は、京王線8000系3編成(28両)、井の頭線1000系の3編成(15両)をリニューアルし、手すりやつり革を握りやすい形状に変更し、座席中間部の手すりや座席端部の仕切り板を設置します。

この8000系と1000系には、VVVFインバータ制御装置の更新にあわせ、より省エネ性能の高い新型VVVFインバータ制御装置を導入。2017年度は、京王線8000系3編成(28両)、井の頭線1000系の3編成(15両)の工事を実施します。