東京・有楽町。京浜東北線や山手線、東海道線などの電車が行き交うレンガアーチ高架橋で、耐震補強工事がすすんでいます。

1910（明治43）年に開業した国鉄 有楽町駅は現在、2面4線のホームを持つ高架駅。改札口は北側・中央・南側に6つあり、国際フォーラムや京橋、日比谷、銀座などへ向いて置かれています。駅構内は、レンガアーチ高架橋の耐震補強工事と同時に実施されている改良工事のまっただなか。

駅周辺を歩くと、レンガアーチ耐震補強工事の内容が見えてきます。この有楽町駅を含む、東京～浜松町間の「東京レンガ高架橋」は、明治43年開業時の姿を変えず、現存するレンガ造連続アーチ鉄道橋として最も古い部類に入り、「日本唯一の歴史的にも非常に貴重な構造物」といわれています。

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アーチの下をのぞいてみると、アーチ下部を鉄骨で補強しているのが見えます。これは、アーチ内部を鉄筋コンクリートで固める「RC内巻補強」という手法です。

大地震などの激しい揺れで、アーチ構造が崩れるのを防ぐために内側に施す鉄筋コンクリートボックスラーメン構造の「RC内巻補強」は、できるだけ薄く、そして強く守ることをめざしています。

その理由のひとつに、アーチ下部空間の利用状況があります。この空間のほとんどが、飲食店や倉庫などで利用されているため、補強材が厚くなると、そのスペースに影響が出ることから、薄く強いRC内巻補強が採用されました。

明治時代のレンガと、平成の鉄筋コンクリートのコントラスト――――いま有楽町駅周辺を歩くと、RC内巻補強が終了し、きれいなコンクリートアーチの空間や、鉄骨むき出しの施工前の現場など、さまざまな状況を見ることができます。