西日本鉄道は5月17日、都内でグループ事業戦略説明会を実施。同社代表取締役社長で執行役員の倉富純男グループ代表と同社上席執行役員で事業創造本部の藤田浩展本部長が登壇し、第1部で倉富代表が本年度事業計画を、第2部で藤田本部長が新型観光列車の概要について説明しました。

第1部 2017年度事業計画説明で倉富代表はまず、西鉄グループの事業構成について言及。同グループは、運輸業のほか、不動産業、流通業、物流業、レジャー・サービス業の5つの事業を主軸に展開。そのなかの鉄道事業では、3路線の2016年度実績を伝えました。

――――天神大牟田線
輸送人員9435万人(25.8万人/日)、運輸収入192億1700万円、走行距離3859万キロ

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――――貝塚線
輸送人員755万人(2.1万人/日)、運輸収入8億6100万円、走行距離128万キロ

――――筑豊電気鉄道線
輸送人員474万人(1.3万人/日)、運輸収入8億9700万円、走行距離170万キロ

また、鉄道分野では、ICカード事業でnimocaを310万枚発行(2017年3月末時点)を達成。福岡、佐賀、大分、熊本、宮崎への展開に加え、北海道・函館にも導入しました。

この函館への導入実績について倉富代表は、「nimocaの路線バス・市電との連携システムが他事業者や自治体に評価されている。函館と同じようなニーズがあれば、今後もぜひ他事業者や自治体と話をしたい。コンパクトシティ化などいわれるなかで、公共交通の利便性の声は高まっている。電車とバスの連携乗り継ぎや、ポイント加算などの機能が評価されているので、いろいろなところで導入検討されると思う」と伝えていました。

西鉄グループの営業収益は、2016年度実績で運輸業が22%、不動産業が14%、流通業が21%、物流業が21%、レジャー・サービス業が10%を占めます。

2017年度の設備投資計画では、運輸業に135億円、不動産業に103億円、レジャー・サービス業に88億円、前年比25億円増の総額403億円を投じます。今後、重点戦略とおもな具体策について倉富代表は「地域マーケットビジネスの深化・域外展開加速」「国際物流ビジネスの拡大」「成長実現のための体制整備」をあげ、天神エリアの再開発や、大橋エリアの価値向上、三国が丘駅の一体的まちづくり、福岡中心部のBRT輸送体制構築、大橋駅特急列車停車、福岡空港特定運営事業への参画、フランス・イタリアなどへの海外拠点営業の拡充などをすすめると伝えました。