北海道にも電気式気動車、現る――。JR北海道は、2018年2月から新型一般気動車の試作車(量産先行車)H100形2両を導入し、1年1か月をかけて走行試験などを実施します。

は、JR東日本のGV-E400系と基本仕様をあわせつつ、極寒対策などの北海道仕様を加えたモデル。「モーターで走行する電気式ディーゼルカー」(Diesel Electric Car with Motors)の頭文字をとって、愛称は DECMO(デクモ)。最高運転速度は100km/h。前後に運転台を設け、1両での走行も可能に。

開発経緯について「現在車齢30年を超えた車両を166両所有し、車体や使用部品が老朽化し、さらに一部の部品が生産中止になっている。そのため保守作業に時間を要すなど、メンテナンスに苦慮している状況にある」とJR北海道。

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今回のH100形は、ディーゼルエンジンで発電し、電気モーターを回す構造で、「推進軸や自在継手など落失が懸念される部品がなくなり、運行時および保守時の安全性が向上」「構造がシンプルで機械的な要素が少ない電車と共通の機器を採用するため、メンテナンス時の負担を軽減するとともにコスト低減を図れる」といったメリットを同社はあげています。

また北海道エリアならではの車両特徴についても同社は言及。「定時性の確保」という特徴については、「2軸駆動とすることやモーターの適切な制御および増粘着剤噴射装置の搭載により、急勾配での落葉や積雪による空転の発生を抑制」「ブレーキ制御方式の変更や滑走再粘着制御(自動車のABS)機能の追加により、鹿の出現などによる急ブレーキ時の車輪踏面傷の発生を抑制」といった利点もあげています。

客室設備は、ロングシートとクロスシート(横3列・固定式)の混在構成。車いすスペースや車いす対応トイレを設置し、「北海道らしさ」を想わせるグリーンやブルーのカラーでまとめます。