川崎重工業は、タイ バンコク地下鉄オレンジライン建設工事に投入するシールド掘進機3機を、同国シーケーエスティー共同企業体(CKST Joint Venture)から受注。

今回受注した掘進機は、バンコク中心部の交通渋滞緩和のために新設される地下鉄オレンジライン(全長約39.5km)の第一期工事イーストセクションで稼働。

E01工区(約4.2km)とE02工区(約2km)の各上下線、合計12.3kmを掘削。トンネル掘削工事は、2021年の完了をめざす。

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同掘進機は、バンコクの軟弱な地盤に有効な泥土圧式(直径6.58m)。軟弱土層の掘進に用いられるシールド掘進機の技術を基に、地下水圧を保持した状態で掘削土を排出できるスクリュウコンベヤの採用、地中のコンクリート残置杭を切削するためのカッターヘッド回転動力の増強、カッターヘッド後方から交換可能な特殊なカッターの装備など、工区特性に適した仕様に。

納入は、2019年2月から2019年8月にかけて。同社はこのシールド掘進機の設計・製作・海上輸送などを担当する。

川崎重工業は、バンコク地下鉄のブルーラインや延伸線向けなど、今回の受注を含めタイ向け19機(うちバンコク地下鉄建設工事に10機)、日本国内外で約1400機のシールド掘進機とTBM(Tunnel Boring Machine)の受注実績をもつ。

同社は、バンコク地下鉄オレンジライン第二期やパープルライン延伸線(約23.6km)などで地下工事が増えると予想。今後もシールド掘進機の受注を見込む。

また、シンガポール、インド、ベトナム、中近東などでも地下鉄建設工事計画があり、アジア市場全体で中長期的に安定した掘進機需要が求められているという。