※この「私鉄に乗ろう」の写真は、筆者がプライベートな旅で撮影したものです。鉄道会社さんから許可をいただいていませんので、乗車券があれば誰でも入れる場所から、手持ちで撮影したスナップ写真です。ポケットに入るコンパクト・デジタルカメラで撮影しています。

市内軌道線は、正に私たちが思い描く”路面電車”です

路面電車は、1913年(大正2年)国内博覧会の交通手段として敷設されました。富山電気軌道が経営していましたが経営不振で1920年(大正9年)富山市に譲渡され富山市営軌道になりました。1943年(昭和18年)戦時下の陸上交通事業調整法で富山地方鉄道に譲渡されて現在に至ります。ただし路線総延長は1960年代の最盛期には11kmありましたが、2009年(平成21年)に新たに開業した富山都心線(0.9km)を加えても現在は7.5kmです。

まず富山地方鉄道さんのホームページにある路線図をご覧ください。1系統が富山駅〜南富山駅前(3.8km約20分)、2系統は、南富山駅前から富山駅でスイッチ・バックする形で大学前まで(6.7km約38分)、環状線は、反時計回り一方通行の運用で、富山駅から丸ノ内駅までは2系統と同じですが丸ノ内駅で分かれ中町(西町北)で1・2系統と合流します。今回はこの順番で乗ってゆきます。撮影は2018年2月18日です。

まずは1系統 富山駅停留場から出発します

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ますは富山駅停留場、富山地方鉄道7000形電車7015に乗って南富山駅前に向かいます。運転士さんから市内線1日フリーきっぷ(620円)を買いました。後ほど車内や運転台などの写真も出てきます。この富山駅停留場から支線接続点(後で出てきます)までは富山市が軌道整備事業者です。富山地方鉄道は車両の保有と運行を行う上下分離方式です。

標準塗装の7000形7020が富山駅に到着、すれ違いに出て行きます。

ここが支線接続点。ここから富山地方鉄道の軌道になります。真っ直ぐ正面の道路に行けば、丸ノ内駅で大学前(2系統)と環状線に分かれます。南富山駅前方面は左に折れます。環状線専用の9000形セントラムが来ました、先日紹介した万葉線MLRV1000形、この後紹介予定の富山ライトレールTRL600形とほぼ同じ設計です。

電鉄富山駅エスタ前停留場。元は富山駅前停留場でした。

7000形の車内です。

0.3km先の地鉄ビル前停留場の先で線路は大きく右にカーブして南進します。1993年(平成5年)に5両が導入された8000形電車(8002)とすれ違います。

0.2kmで電気ビル前停留場。富山のオフィス街の中心部です。日曜日の朝なので人は歩いていません。

雪で分かり難いのですが国の登録有形文化財「桜橋」で松川を渡ります。眼の前の信号が「桜橋詰」です。

0.3kmで桜橋停留場。

300mしか離れていないので望遠レンズにすると次の荒町停留場まで見えます。

近づくと、荒町の表示があります。荒町停留場。7000形電車(7021)とすれ違います。

荒町停留場は相対式ホームで向かい合わせです。

もう一度上の路線図を見てください。中町(西町北)停留場は上りホームだけで下り南富山駅前行には停留場はありません。1・2系統と環状線の富山駅行のみが停車します。荒町停留場からは0.2km。そのすぐ先に西町停留場の下りホームが見えています。

下りは全列車が通過する中町停留場から0.2kmで西町停留場。上りホームは右から入ってくる環状線のポイントよりも南側にあるので、環状線のグランドプラザ停留場から南富山駅前方面への乗換がこの停留場になっていましたが2013年(平成25年)に中町(西町北)停留場が作られたのでそこからの乗換になったのです。

上りの西町停留場には2系統大学前行が停まっていました。7000形電車(7023)。

と雪の時折舞い落ちる中南富山駅前に向けて進行します。この電車の運転士さんがとても親切な方で、運転台の横で前面展望を撮っていたら気にしてワイパーをこまめに動かしてくれるし、後で南富山駅前停留場では前面ガラスの外側も布で綺麗に拭いてくれました。同じ富山地方鉄道でも昨年12月にワイパーを動かしてくれなかった2人の運転士さんとは対応に差が在り過ぎますね。運転士さんは時折市内線のエピソードを話してくれました。それで南富山駅前から2系統大学前まで、この運転士さんの運転する7000形(7015)に乗って行きました。次回【私鉄に乗ろう 47】富山地方鉄道市内軌道線 その2 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)