JR東海は、在来線全線区にレーダ雨量を活用した運転規制を導入する。使用開始時期は2020年6月。設備投資額は4.4億円。

同社は、駅などに設置した雨量計を使い、降雨量が規制値に達した場合に、運転規制を実施。安全を確保していた。

今回、従来の雨量計による運転規制に、連続した雨量情報(レーダ雨量)を追加。これにあわせ、指令のシステムを改良する。

このレーダ雨量は、降雨量を直接計測する雨量計と違い、気象庁や国土交通省が地上に設置しているレーダから、空中に電波を発射することで、雨の強さを把握。1km四方程度の降雨の状況を面的に観測できる。

同社は、駅などに設置した雨量計に加え、レーダ雨量を活用することで、沿線の降雨状況を連続的に観測。

これまでカバーしきれなかった狭い範囲の局地的な集中豪雨をきめ細かくとらえ、運転規制をタイムリーに実施する。

同社はこれまで、2017年7月から山間部の線区などで、雨量計とレーダ雨量を併用した運転規制を試行。集中豪雨を適切に捉えていることを確認している。

いっぽう、在来線全線区へのレーダ雨量を活用した運転規制の導入にあわせ、レーダ雨量の情報をシステムに組み込むことで、雨量計と同様、指令員に自動的にアラームを発することで、的確に運転規制を実施する。