グリーン車116両(2両×58編成)を組み込み、2023年度末から12両で走る中央線。

残る5年間で、沿線がどう変わっていくか―――。

グリーン車2両を組み込むことで、現状の10両から2両増えて12両になる。グリーン車運行区間 44駅のうち、そのホームのほとんどが10両の長さしかない。

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ホーム両端か片方を2両ぶん延ばす工事がいる。急勾配の途中にある御茶ノ水駅 東端や、ホーム端に階段を持つ荻窪駅や吉祥寺駅は、片側のみを延伸するかもしれない。ホームを延ばせない駅は、ホームがない部分のドアを開閉しない「ドアカット」を採るか。

東海道線や常磐線、東北線などには、普通列車グリーン車券売機が、グリーン車停止位置付近に設置されている。

この券売機の更新版をそのまま中央線にも導入するか、もしくは設置しないという手を選ぶか。たとえば、ホーム側に置いていた券売機のシステムを車両側へと移すことも考えられる。

たとえば、新たに製造するグリーン車116両の座席上方「グリーン券情報読み取り部」に券売機側のシステムを車載するという手。

乗車時、モバイルSuicaをドアに設置した読み取り機にピッとかざして、スマホの画面上で、降りる駅を選択。スマホとそのグリーン車が同期し、降車駅まで青いランプが着き、座席が確定するというイメージ。

もう少し進化すれば、カード版Suicaなどを使う利用者も乗降時のピッだけで決済できるようになるか。たとえば、グリーン券の事前購入なしで、乗車駅でピッとやって青いランプ(座席確定)にし、降車駅でピッと(離席)するだけで、決済できるとか。いっぽうで、その乗降駅の正誤などの管理はどうするか……?

今回の中央線グリーン車は、現行の片開きをやめ、両開きにし、出入り口幅を現行810ミリから1300ミリへと拡大させる。こうした改良版の製造にあわせ、Suica決済システムも更新されるのではないか。これがうまくいけば、現行の東海道線や東北線、常磐線のグリーン車も、新造ではなく更新で延命できるのでは、と勝手に想像する。

豊田車両センターや旧武蔵小金井電車区といった、中央線の車両基地も、12両化や車内トイレ処理設備にむけて変化がありそう。100両を超えるグリーン車を、毎日整備するとなると、トイレ処理施設ひとつをとっても、ポン付けではまかなえないとも思ってしまう。