指数関数的に進歩するテクノロジーに先回りできるか――最新のインサイト営業研修プログラムのトレンド

2018.06.28

「目先の課題解決ではない。むしろ課題は解決しなくてもいい」

「営業活動やマネジメントには、いまのテクノロジーを俯瞰する視点が要る」

6月22日、東京・品川のアルヴァスデザインで始まったワークショップは、冒頭、こんなメッセージで始まった。

同社がこの4月にスタートさせた、日本初のインサイト営業に特化した研修プログラム「インサイトセールスプロジェクト」に関する体験会だ。

今回のテーマは「日本初上陸! シリコンバレー最先端の人材教育を体感する! エクスポネンシャル思考ワークショップ体験会」。

指数関数的(=エクスポネンシャル)に進歩するテクノロジーに、人間が追いつき、先回りする思考法を体感するというプログラム。

この日は、大手飲料メーカーや出版社、コンサルティング企業などの参加者で満席。

講師は、エクスポネンシャル思考の第一人者で、エクスポネンシャル・ジャパン共同代表の斎藤和紀氏。

ワークショップでは、エクスポネンシャル思考(日本版)の解説、エクスポネンシャル思考による事業創造を体感できるカードゲーム体験、これからの人材開発・キャリア開発についての意見交換などが行われた。

コンピューターに仕事を奪われる時代!?

同プロジェクトでは、「ソリューション営業は終わり、インサイト営業の時代へ」というキーメッセージにあるとおり、インサイト=洞察に着目した研修プログラムを展開。

狙いは、従来のソリューション営業の基本とされていた「目の前の問題解決」ではなく、インサイト=洞察をもとに、顧客が気づいていない「真の課題を発見する営業スタイル」を身に付けること。

なぜいまインサイトに着目した研修がトレンドか。このような新たなプログラムを展開する背景に、昨今の加速度的なIT技術の進化が挙げられる。

たとえば、囲碁のトップ棋士が、わずか20分ほど学習したコンピューターに敗れたり、iPhone が人間の頭脳を超えると予測されているなど、これまで人間が担ってきた情報収集、情報処理、計算等のスキルに関し、コンピューターが圧倒的に勝っていることが次々に証明されている。

こうなると、「これまで人間が担ってきた仕事がコンピューターに次々と奪われるのでは?」という説が世の中に広まり、実際にその兆候がさまざまな業種・業態で現れ始めている。

アルヴァスデザイン高橋研 代表取締役は、こうしたプロジェクトを立ち上げた背景について、こう伝えている。

「ソリューション営業とは、課題解決型営業とも呼ばれ、何らかの問題を抱えている顧客がその問題を理解しているにも関わらず解決方法がわかっていないという従来のニーズに効果を発揮してきた」

「しかし近年では、IT技術の急速な発展で、顧客が短時間で独自に情報を集められるようになり、自身の抱えている問題点どころか、解決策まで知っているという現象が起き始めた」

理念実現型営業の時代へ

「これからは、これまでの仕事のあり方やビジネスモデルの延長線上だけでは、生き残れないといった危機感を持ち、これまでとは異なった発想力を持つ必要がある」

新刊著書「実践! インサイトセールス ―AIに駆逐されない営業力」(プレジデント社)で高橋代表が著してように、同社は「これからはインサイト営業の時代」と見すえ、このインサイト営業を「理念実現型営業」と定義し、真の課題を発見する営業スタイルを研修プログラムに盛り込んでいく。

「顧客課題についてのインサイト、洞察を突き詰めると、その大半は目の前の困りごとの解決ではなく、経営理念やビジョンに行き着く」

「つまり、これからの営業は、顧客の理念やビジョンといったいわゆる『ありたい姿』を正確にとらえ、その実現を支援する策を提供することが求められる」(高橋代表)

今回のワークショップでは、参加者たちがスマホで「思ったこと」「感じたこと」「聞きたいこと」などをどんどん投稿できるオンラインツールを活用。

参加者たちが「認めがたいほどに速いテクノロジー進歩の衝撃」に、参加者同士、講師たちと気軽に語り合える場を設置した。

同社はこうしたニーズに対応した、経営者とのコミュニケーションに特化したプログラムを開発。

顧客の経営理念やビジョンといった「ありたい姿」を正確にとらえ、「経営者とのコミュニケーションを徹底して身につけること」に特化した教育プログラムを展開する。

このインサイト営業に特化した研修プログラムは、大手樹脂製品製造メーカーや証券会社、飲料メーカーなども導入。某大手通信関連企業も導入を検討しているという。

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