大学発、自動運転技術のベンチャーが動き出す―――。

埼玉工業大学は、大学発ベンチャー「株式会社フィールドオート」を設立。自動運転技術の研究・開発を産学連携ですすめていく。

こうした自動運転実証実験に関する産学連携活動に参画する私立大のケースとしては、国内初。

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このフィールドオートは、埼玉工業大学のキャンパス内に設置。学生も活動に参加する。社長には同大 工学部情報システム学科 渡部大志教授。

自動運転実証実験 30件受託をめざす

埼玉工業大学は、内閣府 総合科学技術イノベーション会議による国家プロジェクト 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の自動走行システム/大規模実証実験(SIP-adus大規模実証実験)に参画。

2017年10月からは、台場エリアの公道で自動運転の実証実験を大手自動車メーカーと共に参画。

同年12月には、同大の地元、埼玉県深谷市で県内初の公道での自動運転の実証実験も実施。私立大で唯一、大手自動車メーカー同様に公道実験を大学独自で実施したことでも注目を集めた。

そして今回、埼玉工業大学内に設置したフィールドオートは、愛知県名古屋市に本社をおくティアフォーと連携し、自動運転実証実験のサポートを中心に事業展開。

3年間で、約30件の自動運転実証実験に関する受託をめざす。

来春AI専攻を新設、人材育成で先手

また埼玉工業大学は、こうした自動運転技術のトレンドを追い風に、工学部情報システム学科にAI専攻を2019年春に新設。AI時代の人材育成に注力する。

「私立工業系大学として自動運転に関する先進的な研究開発に積極的に取り組んできた本学は、その経験と実績を活かし、AI時代に注目の高まる自動運転などをテーマに、教育・研究面からAIに積極的に取り組んでいく」と語るのは、同大 内山俊一学長。

「とくにAI教育の強化に向けて、工学部情報システム学科にAI専攻を来年2019年春に新設。並行する本ベンチャーの活動にも期待している」(内山学長)

7/15オープンキャンパスで最新情報

同大学は7月15日、第2回オープンキャンパスを開催。

大学紹介や入試相談会をはじめ、模擬授業、研究室探訪、個別相談会、キャンパスツアー、ランチ無料体験といった全学部共通のプログラムのほか、工学部 情報システム学科のIT・AI・電気電子 3専攻ガイダンスなども実施。

同大学で研究開発用に稼働しているトヨタ「プリウス」ベースの自動運転テストカーの体験試乗コーナーも用意。また、Arduinoと呼ばれるマイコンボードをつかった走行制御のデモンストレーションを、鉄道模型で示すコーナーも展示する。

―――AI人材育成と大学発ベンチャーの両輪で、AI時代に対応する大学のいまが見えるはず。