津ノ森駅から1.3kmで高ノ宮駅。ホームが右カーブしています。

ケーキのサンプルにしたくなるくらいにキレイな緩いカーブ。手前に駐輪場、奥に駅舎があります。

駅名標。1928年(昭和3年)開業。駅の周辺に人家はあまり多くはありません。平均乗車人員も、29人/日(2015年 一畑電車調べ)。

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ホーム。奥に見える鳥居は4km以上北にある高野宮(内神社)の一の鳥居。一畑電車のホームページを引用します。

「松江藩御所4大社(出雲大社・日御碕神社・佐太神社・高野宮)のひとつとして崇められていた高野宮の本殿は北へ4km、徒歩約30分の本宮山の中腹にあり、大国主の御子神「和加布都主命(わかふつぬしのみこと)」と「下照姫命(したてるひめのみこと)」が祀られています。」

また宍道湖が見えます。対岸の部分にうっすらと陽があたっている様です。ちょっと不思議な光景。

入り組んだ入江を見ながら走ります。湖の波の音が静かに聞こえてきそうです。

1.3kmで松江フォーゲルパーク駅。一畑電車によれば「庄屋の長屋門をイメージした」駅舎とのことです。確かに凝った意匠です。

駅名標。2001年(平成13年)松江フォーゲルパーク開園にともなって開業。

松江フォーゲルパークは、2001年(平成13年)に松江市が58億円と私企業が15億円を出資して作られた鳥類と花のテーマパーク。フォーゲルはドイツ語で鳥。業績悪化で私企業は破産、松江市が施設を買い取り、一畑電気鉄道とその子会社一畑パークが指定管理業者として運営しています。しかし、例えば周辺人口とか、観光移動人口とか、ふつーにデータを分析すれば投資額が巨大すぎて回収できないと分かりそうな気もしますが。

駅の周辺を航空写真で見ましたが山がちで人家はほとんどありません。景色は素晴らしいのですが・・・。平均乗車人員も、56人/日(2015年 一畑電車調べ)。この駅で降りる人は、年間1万人程度にすぎないのです。仮に10倍に増えても10万人、利益が1人1000円出せても(簡単な数字ではありません)年間1億円です。これで73億円の投資を回収するのは、かなり難しいでしょうね。

フォーゲルパークの駐車場に何か建物を作っていました。

ホームが濡れています。にわか雨が降った後の様です。車両からは誰も降りず、誰も乗りませんでした。

思わず見上げたホーム上屋、細工は手が込んでいます。

立派な金属製の改札口。築地塀(ついじべい)風の塀が巡らされているので、改札も和風にすればよかったかも・・・。

陽が出たり隠れたり、不思議な光に翻弄されつつ、松江しんじ湖温泉に向かいます。

では、【私鉄に乗ろう92】一畑電車 その12 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)